※引用図は全て気象庁HPよりの引用です。
①6月7日18時の天気図
上空に寒気を伴なった低気圧(寒冷低気圧)※引用図①には低気圧としては表現されていませんが、日本海北西部に低圧部として表現されておりますね。が徐々に南下しているものの、ロシア ウラジオストック付近上空に居座っています。
本ブログ昨年4月20日の記事で紹介しましたように、寒冷低気圧の南東側では暖かく湿った気流が流れ込んで、特に大気が不安定となり、雨雲(雷雲)が特に発達する(この部分を細かく見ると、南東側では暖かく湿った気流の勢力が強いほど、ここに発生する雨雲は幾重にも帯状に発生し分布するようになります。)のが定石ですが、本日6月7日も、定石通り、本州各地で短時間の強雨や雷、ひょう などがあちこちで発生していますね。
6月7日22時現在、栃木県、茨城県、静岡県のそれぞれ一部地域に、大雨・洪水警報が出されております。
さらに、この発達した雨雲は、細かく見ると、幾重にも雨雲の集団(クラスター)となっており、この雨雲のクラスターは、本ブログで平成17年5月26日の記事で紹介しましたように、この、雲のクラスター(積乱雲、すなわち雷雲)は、地面付近の気流が集まった地域に発生・発達します。一般的には、日中、山間部に発生して、平野部に移動しながら、落雷や、土砂降りの雨、それに、時には雹や突風などを引き起こします。
この、積乱雲(俗に雷雲とも呼ばれていますが)は、上空の風に流されて移動します。上空1500メートルから1万メートルの風向の合成した方向に移動(これにプラスですが、進行方向の気温の高い地域へ広がるように移動します※実際は、この地域へ新たな雨雲が発生し、型上移動したごとく見えるのです。)するものですね。ですので、雷雨の予測には、上空の風向も重要な要素となる所以です。
この様子を、引用図②(6月7日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図)、引用図③(6月7日16時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図)、引用図④(6月7日17時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図)、引用図⑤(6月7日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図)でご覧ください。
②6月7日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図
③6月7日16時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図
④6月7日17時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図
⑤6月7日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図
これらの引用図より、帯状になった雨雲のクラスターの南西方向(気温の高いエリア)や、帯状になった雨雲のクラスターの延長線上(気流が集まりますい箇所といえます)で、新たな雨雲が発生・発達している様子がわかりますね。
さて、あす6月8日はどうなるでしょうか?引用図⑥の6月8日9時の予想天気図をご覧ください。
あす6月8日も、上空の寒冷低気圧は、少しずつ南下し、本州へ近ずくものの、おおむね、本日6月7日と同様な気象状況(各種予想図より)となりそうです。
このため、あす6月8日も、本州の広範囲で、短時間の強雨や雷、ひょう 突風などがあちこちで発生する見込みです。前記したように、上空寒気の動向のみならず、上空の風向や、地表の気温分布にも留意されて、雷雲の挙動に充分注意しましょう!