中田清介のブログ:ほんまち界隈

下町の風情を残す本町商店街の四季折々や日々の活動報告を綴っていきます(2022年6月よりgooブログに引っ越し)

どこを向いて政治をするのか

2011-05-29 12:22:00 | 政治
 このところ福島原発被災後の海水注入問題で、首相の責任が追及されています。国民に向かって発表する内容が2転3転している状況では、国民は何を信用して良いのか分からなくなっています。
 特に初動段階での官邸の意向という訳の分からない配慮について、原子力安全委員会斑目委員長との責任のなすりあいや、未だに一本化できない報道体制などを見ていると、政治家はどこを向いて仕事をしているのかと不信感が募ります。報道発表では、東電、原子力安全委員会、官房長官それぞれが自分の正当性を発表する場におとしめているような気がしてなりません。
 政治主導にこだわるあまり指導力を発揮できなくなっているばかりか、その場その場の言い訳に終始している状況では、挙国一致で復旧を考えるどころではないと言わざるを得ません。菅下ろし、内閣不信任案が取りざたされているのもうなずけるということです。
 もう一つ注目されているのが、官僚とマスコミ関係者のバトルです。一方の当事者は東京新聞論説委員の長谷川幸洋氏、一方の官僚は資源エネルギー庁長官細野哲弘氏、及び経産省成田達治大臣官房広報室長との間のバトルです。
 もともと 「銀行は債権放棄を」という枝野幸男官房長官発言に対して、細野哲弘資源エネルギー庁長官が「いまさら、そんなことを言うなら、これまでの私たちの苦労はいったい、なんだったのか」と言ったオフレコ発言を長谷川氏がネット上で公表したことが原因となっています。東電の損害賠償における会社責任、株主責任、金融機関の債権放棄などを突き詰めていくと、東電の解体も考えられる状況で、責任問題を棚上げして国民負担を押しつけようとする官僚や政府の動きに反発する長谷川氏が、細野長官のオフレコ発言を公開し、広報室長が記者倶楽部制という世間の狭い制度を悪用して、圧力をかけてきたことに起因するバトルです。こちらのサイトでのぞいてみてください。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/5036
 長谷川氏は「官僚との死闘700日」など、政治の裏側を鋭くついた本の著者としても知られるジャ-ナリストです。
 震災後の復興資金にもつながる根本の問題なのですが、震災復興とは言ってもデフレ下の増税路線で経済は持ちこたえられるのか、政官の癒着の中で、東電の存続に力点を置いた方向性が果たして受け入れられるのか。考えさせられる問題です。それにしてもいったいどこを向いて政治をするのかの問題であるといえます。
 高山市議会は、議会改革を進める中で議会基本条例を制定し、今期から全く新しい議会運営を進めようとしています。そうした中にあっても市民目線に立って改革を進めていく必要があります。議会のための議会改革であってはなりません。上辺だけをなでるような体裁を繕うだけではなく、徹底した意識改革をともなう実践に努めなければなりません。心して取り組むつもりです。

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