中田清介のブログ:ほんまち界隈

下町の風情を残す本町商店街の四季折々や日々の活動報告を綴っていきます(2022年6月よりgooブログに引っ越し)

句集「醒々著」

2010-10-16 15:45:00 | 文化・文学
 昨日、思いがけず故西村宏一先生の句集「醒々著」をいただきました。昨年10月12日に亡くなられた先生とは、よく山へご一緒する仲間でもあり、博学の師から様々なことをご教授頂きました。こよなく酒を愛された面もあり良く山で、里で杯を傾けたことを思い出します。句集発刊の顛末もお聞かせ頂きました。病床にある中で、フロッピーに貯められた句を友人に託されたとのことでした。在りし日を偲びながら読み進む中で、思い出のある句がありました。
 昨年亡くなられる前に、二度程ご自宅へお見舞いがてら手打ちのそばをお届けしたことがありました。先生はお留守でしたが、丁度ご子息がお見えでしたのでお預けしてきたのですが、しばらくして礼状が届きました。次のような文面でした。
「再々足を運んで頂きまして、その度留守に致しており済みませんでした。御丹精の蕎麦を頂きお礼の申し上げようもございません。お礼にここ2ヶ月の山の句を」として以下の句が添えられてありました。
 顎の汗山靴の先濡らし行く
 雪渓のトラバス終えて靴を蹴る
 森林帯抜けてガラ場を仰ぐ息
 旧道の暑き傾斜や陰もなし
 お花畑独り行くのはおそろしき
 草いきれやり過ごしけり大荷物
 黙々と一団ガラ場登りゆく
 キレットを越す雲龍の如くなる
 炎熱や大崩落のへりを行く
暑さは愈〃これからです ご自愛下さい。

 3句目以外句集に掲載されておりました。句集を読ませていただき、療養のつれづれに以前の山行を回顧するなかでの作句と理解できました。巻末まで一気に読ませていただきました。
 
 以前に山の会の忘年会で、一枚の色紙をいただきました。添えられてある句は「とんぼうは高きに止まるさがにして」です。
 今夜は先生を偲んで蕎麦とキノコで一杯やりたいと思います。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿