知らざあ言って聞かせやしょう

日常のどうでもいいことを、ただ思いつくままに

『父、帰る』をみて

2004年10月31日 | 観る

『父、帰る』
2003年第60回ヴェネチア国際映画祭グランプリ金獅子賞、新人監督賞受賞作品
2004年 ロシア 105分
ジャンル:ドラマ
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
出演:ラウジーミル・ガーリン、イワン・ドブロヌラヴォフ
   コンスタンチン・ラヴロネンコ



家を出てから十数年ぶりに戻ってきた父と、
彼を覚えていない息子たちとの小旅行を通じて
父親という存在を描く人間ドラマ。
世界各国の映画祭で数々の賞を受賞した作品。



後から知ったことながら、ルネサンスの名画『死せるキリスト』の
構図そのままのシーンであったり、最後の晩餐を念頭に描かれたシーンだったり、
曜日の設定や、登場人物の名前までとあらゆるところで、
宗教的な暗示がある作品だったようです。
とはいってもそんなことつゆ知らず。それでも充分楽しめる作品でした。
とにかく出てくる風景が圧倒的で、厳しさや冷たさすら感じさせ、
人間のドラマながらも、自然の中での人間を強く感じさせられ、
冷たい風景がより映画のテーマを際立たせています。
父親とは息子とは・・・
プログラムの中に、監督の言葉として「映画は詩と同じように観ている人の心に
傷を残さなくてはならない」という記事があり、まさにその言葉のとおり、
はっきりとは分からないけれども、観終わった後に大きな傷を残される
作品でした。

採点:


日本語公式サイト
http://chichi-kaeru.com/