SAKURA LINE

毎年この季節になると家のすぐそばの桜並木が一斉に咲き始める。
桑田佳祐が希望の轍で『遠く遠く離れ行くエボシLINE♪』と唄った。
都電の面影橋辺りを新宿側を背にして視野を広くして見てみると、
さながら目の前には桜の綺麗なピンクの線がすーっとどこまでも続く。
さながらSAKURA LINEってところか。

昨日はメチャ雨が降ったから、
並木道には散った桜の花びらで絨毯。
地面に落ちて薄汚れてしまっているけど、
きっとその奥の綺麗なピンクは変わらない。

ふと思ったのが、
『この散り落ちてしまった花びらと昨日の大雨に耐えて生き残り、
今も桜の木を彩る花びらとは何が違うのかなって。』

俺はどっちかっつーと今も残ってる花びらになりたい。
そんでまだお花見を済ましていない忙しい人達を、
和ませてあげたい。楽しませてあげたい。

それでもどんどん季節は巡るから新緑が、瑞々しい緑の葉が、
我が物顔でピンクを侵食しようとしてる。

朝方までデニーズで駄弁ってて、
その足でブックオフの20世紀少年を1～17巻まで読破した。
寝てないのに。ざまーみろブックオフめ。
最後やばい疲れたから18、19巻買っちゃったじゃんか。

チャリンコで早稲田大学商店街を一気に駆け抜ける。
今日は新入生のサークル勧誘の日なのか。
同じ顔した同じ服装の大学生がうじゃうじゃいた。
なんだよ。
気が付けば俺も同じような服装じゃねぇかよ気に入らねぇ。

きっとコイツらは新緑だ。
時間の流れという雨に打たれて、
いつまでも淡いピンク色の夢なんか見ていられねぇと散ったのか？
俺の大嫌いな毛虫落とす新緑になるために。

でも俺バカだから、
今も往生際悪く咲こうとする。
今は1分咲き？
きっと明日は2。
そして明日は3って感じで夢見てる。
最後のひとひらになっても良いよ、
桜の花びら咲かせたい。

花咲かじいさんになりたい。