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日本乳酸菌学会を聴講して

2006年07月07日 21時23分59秒 | Weblog
ホームメイド・ケフィアの構成乳酸菌ラクトバチルス・プランタラムは植物性乳酸菌に分類されました。

日本乳酸菌学会2006年度大会が、7月6日~7日に大阪大学コンベンションセンターMOホールで開催され、大阪大学微生物病研究所の本田武司教授の特別講演「ヒト病原細菌を考える」と、38題の一般講演が行われました。
一般講演はいずれも乳酸菌研究の先端的研究が報告され、真剣な討議が交されました。その中で昨今巷で喧しく論議されている植物性乳酸菌に関連する報告が3題あったので紹介します。

その1)は、カゴメのいわゆるラブレ菌に関する報告であり、ラブレ菌は京都の伝統的な漬物「すぐき漬け」から分離され、ラクトバチルス・ブレーべと同定された植物性乳酸菌です。この乳酸菌はリステリア菌に強い抗菌作用を示しましたが、この乳酸菌で作った醗酵飲料を健常者に飲ませた場合、腸内細菌叢に変化がなかったと報告されました。この報告に対して、「植物性乳酸菌の定義を示してください」、「ラクトバチルス・ブレーベがチーズにも存在しますがその場合は動物性乳酸菌と言いますか」という質問がありました。しかし演者から明確な回答がありませんでした。

その2)は、明治乳業の報告です。ブルガリアではホームメイド・ヨーグルトが盛んに作られていますが、森から取ってきた木の葉(西洋サンシュなど)で牛乳を醗酵させています。ブルガリアのLB-ブルガリッカム社の協力を得てブルガリア国内のモンタナ地方、スモリア地方、ブルガス地方などの4地域の原生林から木の葉を採取して牛乳に加え、醗酵させてみましたが普通のヨーグルトとまったく変わらないヨーグルトが出来たということです。木の葉に付着している乳酸菌を分離して同定したところ、ヨーグルトの醗酵菌であるラクトバチルス・ブルガリッカスとストレプトコッカス・サーモフィルスが同定されたという報告でした。この報告を聞くと、明治のブルガリアヨーグルトの乳酸菌も元は木の葉から採ったものらしい。

その3)は東京農大の岡田先生の報告ですが、漬物などから分離した植物性乳酸菌126株?(レジメでは81株)、発酵乳の製造に用いられている発酵乳乳酸菌24株を、糖類醗酵性やアミノ酸要求性等の試験結果からInfor BioによるDendrogram解析によって分類したところ、植物性乳酸菌の群と発酵乳乳酸菌の群とはっきり分けることが出来たが、ラクトバチルス・プランタラムだけは発酵乳から分離された乳酸菌であるにもかかわらず植物性乳酸菌の群に分類されると報告されました。

ホームメイド・ケフィアは、牛乳ばかりでなく豆乳もよく醗酵できるので、ホームメイド・ケフィアの構成菌の一つであるラクトバチルス・プランタラムが植物性乳酸菌に分類されても不思議ではないのかもしれませんが、上記の3題の講演を聴講した限りにおいては、乳酸菌を植物性乳酸菌、動物性乳酸菌と分類することに妥当性を感じられないように思いました。
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