手漕ぎボートに乗ったホリーは、
おとーさんと母の間に、リードを持って座らせていたのですが、
うろうろして落ち着かないので
おとーさん、オールが当たってうまく漕げません。
実は、母、13歳の時、プールで死にかけてます。
99%渡っていた三途の川を引き返して以来
海にもプールにも入っていません。(もちろん体育でも)
それが湖の真ん中で、こーんなひっくり返りそうなボートに
乗っているとは~。なんで乗っちゃったかなー。
スワンでも、テントウ虫でもよかったのになあ。
暗い水に引き込まれそうで、気持ちがザワザワします。
もう、おとーさんを信頼するしかありません。
ホリーがうろうろするので、
「大丈夫だから離せば?」とおとーさん。
カヌーの舳先に静かに立っているワンコを想像したそうです。
確かに、ホリーもしばらくそうしてて、遠くにいる兄たちの方を見ていました。
しかし次の瞬間、(ご想像通り)
湖にダイビングーーーッ!!
母の叫びで、今度はホリーの状況を見た
おとーさんまで飛び込みました!!
ひえー、ひえーーっ!!!
安全ベルトをつけたままだったので、
おとーさんがすぐホリーを引き上げました。
次に、右半身だけ上がったおとーさん、最後のふんばりがききません。
「手貸して~」「無理!無理!」
結果、自力でボートに上がりました。
頑張ったね!って違う?笑
いや、その、だってホリーもいるし、ボートがかなり傾いて転覆しそうだし
バランスを取ろうと反対側に行くと、遠くなるし。
いやーだって、水怖い!!
(↑一応、瀬戸内育ちです)
今でもみぞおちがゾーッとするのですが、ホリーが飛び込んだあと
浮いてくるのかと思いきや、下手な犬掻きで深さ30センチ?ほどのまま、
浮いてこなかったらしいのです。
母が覚えているのはダイブした瞬間と、頭を水から出したところだけ。
ホリーは一体何を思ったのでしょうか。
兄たちを追って、静かな湖面を走れると思ったのでしょうか。
助けられたホリーは何事もなくケロッとしていましたが、(!!!)
もう夫婦は怖いのと、
何もわかってないホリーがおかしいのとで、ネジが飛んでます。
ニュースで「犬を助けようとした東京の男性が…」とか出てたかもよ。
おとーさんのケータイも水没でパーです。
伊豆で泳いだのがよかったのか、悪かったのか。
これは、水に囲まれている事が理解できていない、としか思えません。
人間だって長時間いると、そんな感覚になるものですし。
水が嫌いだから動かないだろうと思い込んでいました。
本当に油断しました。
もしも、の時は千葉わんや、さくらママさんに顔向けができません。
何年も一緒に暮らしてきたとはいえ、何が起こるかわかりません。
この安全ベルトはハーネスにもなるのですが、
車から降りるとき、外そうかと思ったのをそのままにしておいて
ホリーの命は助かったのでした。
おぼれる犬っているのかなあ。
いやー、それにしても男性の一瞬の判断・行動力には驚かされます。
今度ボートに乗るときは、ぜひ思い出してくださいね。
スワンでまた近づいてきた兄たちに、「見てた?」と
腑抜け顔で聞くと、全然知らなかったそうで。笑
周りのボートも多分知らないかも。
一体、岸の人たちは、何と思うでしょうねー。
周りの人間は笑ってますけどね~。30分の間に死ぬ思いですよ。ハ~。
ボート屋さんに
「犬がダイブしちゃって、こっちも飛び込んじゃった」と話をしたら
「あ~そうですか~ 」、こっちがビックリしました。
だって、人が全身ずぶ濡れ、ですよ? ここではよくあることなのか~?笑
車に戻ったものの、おとーさんの余分の着替えがありません。
しょうがない、車の熱い屋根で乾燥です。
その間、ウマがたくさん観光客を乗せてパカポカ歩いている光景を
車に腰掛けて見ていたら、だんだんのどか~な気分になってきました。
しきりとホリーに「貸しを作ったぞ」と恩を売るおとーさん。
伊豆の林道トライアル?を含め、B型男の陽気さです。笑
服も乾いて、湖畔のお蕎麦屋さんで交代でお昼ご飯。
当然、車の中からホリーが蕎麦屋の入り口を監視してます。
食べた気がしないったら。
まだ時間があるので、地図に載っていたモーターランド、的な
所まで戻って行ってみることに。
しかし、暇そうな受付で聞いてみると、ほとんどがカートも
バイクも持ち込みばかりだそうで。
はい、残念。もう宿に行ってお風呂に入ったほうがいいね。
一生忘れない榛名湖に戻り、本日のお宿へ向かう道へ。
…入ったつもりが、またもや道を1本間違えて、えらーく遠回り。
國定忠治の三国街道から中之条へ行くはめになりました。笑
(続く…)