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MLB伝説の豪速球投手たちの「ウソのような本当の話」

2005年12月30日 | Baseball/MLB
メジャーリーグの歴史にその名を残した豪速球投手たちには、その超人的なスピードを物語るさまざまなエピソードが残されている。

20世紀初頭のメジャーリーグを舞台に、サイ・ヤング(511勝)に次ぐ417勝(20世紀以降にデビューした投手としては最多)と、おそらく今後更新される可能性が最も低い大記録のひとつである通算110完封をマークしたウォルター・ジョンソン(セネタース)には、彼と対峙して2ストライクに追い込まれた打者が、「もう結果はわかっている」と、3球目を待たずしてベンチに下がったという伝説が残されている。

完全試合を含むノーヒッター4回、左腕最多の年間382奪三振など、60年代のドジャース黄金期を支え、史上最年少の30歳で殿堂入りを果たした「黄金の左腕」サンディー・コーファックス(ドジャース=写真)は、少年時代、バスケットボール選手(こちらのほうが将来有望だと言われていた)として活躍する傍ら、地元ブルックリンのサンドロッドリーグで投手としてプレーしていたが、ある試合で登板した際、そのあまりのスピードに目を奪われた球審がストライク・ボールを見極めるのを明らかに忘れていたのに「ストライク!」とコールした。これに相手チームの打者が抗議すると、審判は「確かにオレはストライクゾーンを通過したか確かめられなかったが、あんなすさまじい音でミットに飛び込んだ速球は見たことがないし、そんな球をお前が打てるわけがないからストライクだ!」と開き直ったという。

ノーラン・ライアンのスピードについては、全盛期だったエンゼルス時代の速球を評して、のちにベストセラー「アンパイアの逆襲(The Umpire Strikes Back~言うまでもなく『Star Wars~The Empire Strikes Back」をシャレた題名)を著したア・リーグ審判のロン・ルチアーノ、「もし水流が流れ落ちる洗車機の向こう側にライアンがボールを投げたとしても、その球には一滴の水滴もつかないはずだ」の名言を残している。

こんなメジャーの「ヴェロシティー・レジェンズ(快速球伝説)」のエピソードをもっと知りたいと思ったら、私もレフティ・グローブについての一文を寄稿している月刊メジャー・リーグ増刊「大リーグ100マイル伝説」(ベースボール・マガジン社)をご一読ください。
このBlogをご覧いただいた方に、このムックを全国の書店及び通販サイトなどで有料頒布しております(笑)。ただ、コーファックスがなぜか載っていないので、彼については、これも私が「サンディ・コーファックス~消えることなき『黄金の左腕』の輝き」を寄稿した同じベースボール・マガジン社発行のスポーツスピリットシリーズ「古今東西ベースボール伝説」の在庫を探してみてください。

以上、本日は宣伝でした!


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