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『善き人のためのソナタ』

2007-02-25 19:51:06 | Weblog
本日、観てきました。
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
主演:ウルリッヒ・ミューエ(ヴィースラー大尉役)
1984年当時の旧東ドイツを舞台とした2006年度のドイツ映画で、
本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品です。

主人公ヴィースラー大尉は国家保安省「シュタージ」の役人。優れた
諜報能力と冷酷な取調べで反体制的人物を検挙してきた実績をもち、
国家に忠実な彼は、劇作家ドライマンとその恋人クリスタ(女優)の
監視を命ぜられます。
早速彼らの部屋に盗聴器を仕掛け、諜報活動を続けるヴィースラー
ですが、彼らの自由な音楽、思想、恋愛などにふれる日々を続けていく
ことによって、ヴィースラー自身がそれらに影響を受け、知らず
知らずのうちに、彼らをサポートしてしまうというのが大筋です。
この過程において、無機質なヴィースラーの表情が
次第に淋しさと慈しみを秘めたものに見えていくのですが
そのあたりの変化も見ものです。

ところで、この映画では「シュタージ」による国家管理体制の実態が
描かれます。「シュタージ」は反体制的な人物を検挙するために
あらゆる諜報手段を使いますが、その一環として多くの国民を
密かに協力者として使っています。
彼らに自分の家族、友人達のことを監視・密告させるという
おぞましき様子とその悲惨な結末は、この映画においても冷酷に
表現されていましたが、ベルリンの壁崩壊後、そういった
事実が明らかになっていったときの旧東独国民の傷が
どんなに大きいものであったのかは、想像を絶するものがあります。

テーマ、内容ともに重い映画ではありましたが、
最後のシーンには救われました。
体制の中においては無力にならざるを得ませんが、
だからといって人間捨てたものではありません。


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