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『帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』ハナレグミ

2007年07月17日 23時00分50秒 | CD&コンサートレビュー
『帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』ハナレグミ
EMIミュージック・ジャパン
TOCT-25579

帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。
ハナレグミ
EMIミュージック・ジャパン

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私事ですが、先週、久々に友だちと組んでいるバンドでライブをやりました。
いやー、やっぱりバンドのライブは人生で一番楽しいですね。
クラシックの方はライブとはいわず「アンサンブル」でしょうし、
ジャズの方々の場合は「ジャム・セッション」でしょうが、
とにかく、仲間と一緒に演奏して、それを音楽好きなお客さんに見てもらう。
これに勝る楽しみは、そうそうないでしょう。

さて、今回ご紹介するのは、ハナレグミというユニットのアルバムです。
ハナレグミとはスーパーバタードックというバンドのボーカル・永積タカシの
ソロユニットだそうです。僕はむしろ後者の方を知りませんでした……。
ま、由来はどうあれハナレグミの魅力は素朴な声と、シンプルな曲、
オーガニックなサウンド、という感じでしょうか。30代後半や40代の方なら、
この音を聞くと、70年代頃のフォークやニューミュージックの初期の音を
思い出すのではないでしょうか。たとえば、
大瀧詠一のファーストソロアルバムや、細野晴臣の「HOSONO HOUSE」あたり。

ハナレグミは永積タカシの歌声や曲が素晴らしいのももちろんですが、
このアルバムをご紹介する理由の一つが、「自宅録音」という手法で
制作されている、という点にあります。
先ほど述べたようにライブが音楽における祝祭的楽しさ、
あるいはスポーツ的な楽しさだとすれば、自宅録音の楽しさというのは、
絵や彫刻の趣味に似た、じっくりと手がけられる
手作りの楽しさかもしれません。

それにしてもこのアルバムの「自宅録音」ぶりは徹底していて、
通常のスタジオ録音ではありえないような音がたくさん入っています。
雨の音、クルマが通過する音、クルマのドアを閉める音、虫の声、
ソロの出だしを間違えて先走ってしまった音など。
では、これらが音楽の質を損なうかというと、全く損なっていません。
それどころか、まるで、目の前でミュージシャンたちが、
実にリラックスした感じで遊びながら演奏しているかのような
雰囲気を作り出しています。
通常の綺麗な録音のCDよりもずっと、音楽を作る楽しさと、
演奏者たちの息づかいや温もりが感じられるのです。
特に音のいいヘッドフォンでじっくり聴くと、
聞き手自身が音楽の現場にいるように思えるほど。
そのリアリティには驚かされます。

このCDを聴いていると、ライブもいいけど、自宅録音もいいな、
と思う今日この頃。近年は自作曲をMP3で録音すれば、
そのままメールで友人にも飛ばせますから、
自慢の曲を気軽に聴いてもらうこともできます。
僕も、一度試してみようと思っています。

ヤマハが提供している音楽配信サイト「マイサウンド」で
『帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』
の試聴とダウンロードが行えますので、ぜひアクセスしてみてください。


「おとなを、休む日」の「演奏を、楽しむ日」のコーナーでは
「Songs and Places」でおなじみのイラストレーター・佐々木悟郎さんに
デモテープ録音をトライしてもらいました。
スタジオ録音編では自作曲の試聴も行えますので、ご一読&ご一聴ください。
・デモテープ編

・スタジオ録音編


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