サイエンスライター福岡伸一さんのエッセイ「世界は、分けてもわかない。」
タイトルが全てを言い当てているが、
まさに正論。
世界は、分けてもわかない。
たぶん「生命は、わけても分からない」のだと思う。
科学はどんどん分解して、
一つ一つを緻密に調べ尽くす。
分けて分けて分析するのが、科学だとすると、
分けてもわからないものがあって。その代表が生命。
生命を構築するすべての要素を1箇所に集めたとしても、
それが生命になるわけではない、という不思議。
ちなみに帯にある「ランゲルハンス島」は
膵臓の機関であって、ホントウの島ではありません。
それから音楽で言えば「フレーズは分けてもわからない」ってのもいえると思います。
これこそ全体性の最たる物。一音ずつにわけたら、何の意味もないものになってしまいます。
一曲全部の全体性、ワンステージ全部の全体性からのフレーズではないか、と。
世界は分けてもわからない (講談社現代新書) | |
福岡 伸一 | |
講談社 |