【その1 おとなのレモン】
わたしの音楽サークルの後輩であるかき氷の女王陛下。
真冬でも茅ヶ崎までかき氷を食べに行くような彼女に、
教えてもらった、とある荻窪のかき氷であります。
とあるラーメンやの裏メニューでありますが、
さすがに女王陛下のかき氷。
もの凄いクオリティでした。
いままでかき氷について特段の趣味は持っておりませんでしたが、
たしかに意識が変わります。
これは。
そうだな。
いわば淡雪ですね。
シャクっと掬い口に入れた瞬間に
儚く、淡く、仄かに、そのかき氷の実体は
かき消えてしまい、その春の雪のような触感と、
初恋の追憶のような、センチメンタルな味の残像だけが残るのです。
これが
おとなの、レモンですね。
次回は
【その2 キウイ】をお送りします。