HBD in Liaodong Peninsula

中国と日本のぶらぶら街歩き日記です。2024年5月からは東京から発信します

ハルビン 秋林デパートビル

2018-10-05 | 東北を歩く
ハルビン市南崗区東大直街の老建築・秋林デパートです。


こういう様式はロシア式バロックと呼べばいいのでしょうか。優美な姿が目を引きます。

秋林洋行はかつてハルビンを中心に白系ロシア人が経営した商業施設でした。

秋林とは創業者の名前です。中国語でチューリン(Qiulin)と読みます。

元々は19世紀にロシアで創業し、19世紀末には中国北部に事業を拡大しました。1918年にはロシア革命を逃れてハルビンに本社を移します。


中に入ってみました。

その後も事業を拡大し、ハルビンを中心にロシア人や外国人向けに世界からの輸入品を取り扱う大規模なデパート経営に成功します。

満州国設立後は満洲国の法人となりますが、戦後は再びソ連系資本に戻りました。
現在は中国資本の小売店として経営を続けています。
正式な社名は、ハルビン秋林集团股份有限公司です。

当時の旗艦店だったこの秋林デパートビルは、1908年竣工です。
建築当初は地下1階、地上2階建てでしたが、後に増築されて今の4階建てになっています。

建築当時は自家発電による照明や暖房が整い、上下水が完備された最新式の建築物だったようです。

満州国設立後は、日本商品の取り扱いが中心になったそうです。関東軍による貿易規制も影響していたものと思われます。

1938年には社名を秋林株式会社と改称し、経営組織を日満独系合資に変更しました。
当時の日本語による会社案内があります。


秋林公司は、1世紀を超える激動の歴史に翻弄されながらも、いまだに社名を残したまま経営を続けています。


ハルビン市Ⅱ類保護建築です。
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