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ぶらぶら街歩き日記です。北京編4年目です。

漢口 米国人記者アグネス・スメドレー / ルッツ主教旧居

2024-03-16 | 武漢を歩く
漢口の鄱陽街の旧租界エリアでアグネス・スメドレーの旧居だったという洋館を見かけました。





シンプルなレンガ造りの2階建てです。

アグネス・スメドレー(1892-1950)は共産党に共感して中国で取材活動を行った米国人ジャーナリストでした。

中国での暮らしの拠点は上海でしたが、1938年に日中戦争を取材するため、ここで10か月間を暮したことがあったようです。
当時、ここは漢口聖公会の米国人宣教師だったルッツ主教の邸宅でした。

スメドレーはミズーリ州の農家出身で、幼少時代は貧しさゆえ教育を受ける機会に恵まれなかったものの、長じてから師範学校で特待生として修学し、学内で学生新聞の編集といった課外活動を行いました。

やがてインド人の共産主義者との出会いをきっかけに運命が動き始め、ドイツを経て上海に拠点を移すことになります。上海ではソ連のスパイだったゾルゲと関り、尾崎秀実を紹介したとされます(この話は諸説あるようです)。

そして1930年代から40年代はじめに中国国内の共産主義者に密着し、国共内戦や日中戦争の取材を行いました。

スメドレーは武漢での滞在中、在武漢米国総領事や英国大使に対し、赤十字社の救急隊を編成して八路軍を医療支援するよう粘り強く説得し、その道筋をつけたとされます。

没したのはロンドンですが、墓は北京の八宝山墓地にあります。それだけ近代中国に愛され、大事にされた人物ということでしょう。



湖北省の文物保護単位になっていました。

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