のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2007年12月:国立劇場「それぞれの忠臣蔵」

2007-12-27 01:49:08 | 書いたぞ: 感想書きました~
今年の見納めの舞台に選んだのは 国立劇場公演「それぞれの忠臣蔵」。
ご贔屓のそろった舞台で期待大です♪
先週の土曜:12/22に観てきました。

1:堀部彌兵衛 四幕 (約85分:1~3幕目=40分/休憩=10分/4幕目=35分)
第一幕 高田馬場
第二幕 芝愛宕下青松寺の客間
第三幕 同(十日経過)
第四幕 米沢町弥兵衛宅(十五年経過)


◆のたりの眼
イヤホンガイド借りたのに、イヤホン紛失_| ̄|○
3幕目までイヤホンなしで観劇でした。

・誰だろう~
見物人の後方にいた、黄色っぽい着物着てた女形の役者さんが
雰囲気・仕草が本当に女性らしく、いい意味で目につきました。
誰だかわからなかったのがくやしいなぁ。

・縄襷はなぜ不吉?
安兵衛が高田馬場での決闘の助太刀に来たとき、
堀部弥兵衛が「縄襷は不吉」と扱きを渡すのですが、
なぜ縄襷が不吉なんでしょう?
WEBで検索したら死者の湯灌をする人が縄の帯に縄の襷で行う という
地域があるようなことがわかりましたが、これかな?

・1幕目と2幕目の幕間が長い~<(ーー;)
こんなに長いなら、タッとイヤホンガイドカウンターいって
イヤホン、もう一度借りてきたのに~っ

・奥さんがおんぶしてた子は孫?
「昨年21歳の息子を亡くした」というからその息子の忘れ形見かと思ったら、
なんと、実の娘でした。(^_^;)
この時点3歳ということは、弥兵衛が58歳の時の子ってことで・・・
まぁ、ありなのかな(^_^;)
ちなみに亡くなった息子は弥平太という名前だったらしい。

・「一足お運び」
と奥さんがいうので、何のことかと思ったら、「一局囲碁の対戦を」ということらしい。

・「山伏が夕立にあったようなこと」その心は「買いかぶり」?
住職と弥兵衛の会話の中に「山伏が夕立にあったようなことと思って」という
セリフが出て来て、「買いかぶる」と説かれるのですが、なぜ??
こちらもWEBで検索したら、わかりました。
山伏は夕立が降ると法螺貝を頭にかぶって雨露をしのいだことから出た言葉のようです。
今のお客さんには、私も含めて「???」という人が多いかもな~これは(^_^;)
イヤホンガイドつけてたらあたりで詳しく解説していてくれそうですが(^_^;)。

・「光るものあり、坊主の頭」その心は 「全く結う(言う)ところなし」
これは、わかりました♪

・実はキレもの?
私の中で、堀部弥兵衛という人は、四十七士の中の最高齢の頑固なじい様 という
イメージしかありませんでしたが、このお話を見ていると、弥兵衛がエラく
アタマの回転とキレのよい人だったんだ。と感じます。
さすが江戸家老になっただけのことはありますね~

・弥兵衛のセリフがおぼつかないのは・・・
・・・役作りですよねぇ(^_^;)

・なぜにこだわる「中山姓」
わからないんですよね~、これが。このお芝居で1番の謎でした<(ーー;)
4幕目に討ち入りを目前にして、堀部姓になることに合意する肝心要の場面、
寝こけてたし・・・<(ーー;)

・浪人・離別の覚悟
養子になる話の答えを渋る安兵衛に 弥兵衛が養子になってくれなければ
妻を離別し、自分は浪人 と言って安兵衛を驚かせ、観ているお客の笑いを誘います。

突拍子もないことを言い出すじい様だと思いますが、これが弥兵衛の話を聞くと、
ちゃんと理由はついてるんというか、筋は通っていて、決して突拍子もないこと
ではないんだ と納得してしまうんですよね~。
(それがどんな理由だったか、実は、もうあんまり覚えていないんですけど(^_^;)

これが安兵衛を「うん」といわせるための策略だったとしたら、ほんとこのじい様、
キレものだと思いますし、素だとすれば、それはそれで、すごいじい様だと
思うんですけど(^_^;)

しかし、このご夫婦、奥様も旦那様も ハタから観ると、なんともかわいい
(という表現が適切かわかりませんが(^_^;)ご夫婦ですねぇ♪

・その「半分」ちゃうんですが・・・(^_^;)
養子縁組をOKした安兵衛に早速自分たちの3歳の娘を許婚にしますが、
安兵衛が21歳に自分に3歳は・・・「せめて半分くらいの年の」と反論します。

そうですよね、さすがにこれは(^_^;)。光源氏と紫の上よりもすごい??

しかし弥兵衛は「15年後たったら娘は18歳、安兵衛は36歳、ちょうど半分
という見事な理屈で、あっさりと勝利します(^_^;)

この斬りかえしを間髪いれずに出来るというのは、養子ほしさのじい様の
頑固の一念のなせる業なのか、それとも、やはりそれだけアタマのキレる
御仁だったのか・・・

しかし、つい「あ、ほんとだ、半分になるわ・・・えぇ、どうして??」と
納得&びっくりしてしまった私は相当寝不足です・・・(^_^;)

ところで、安兵衛の意図したんだと思われる「年の差」の半分っていうと9歳ですよね。
ってことは娘が12歳だったら、ギリギリOKだったってことですかねぇ。
今で言えば大学生と小学6年生・・・
それも結構、犯罪の域に入りそうな気はしますが(^_^;)

・義経の絵と忠の字
討ち入り前日、同じく浪人の隣人の息子が、父親お手製の凧に
「義経の絵を描いて」 と弥兵衛に頼みに来ます。
しかし、弥兵衛は「それは難しいから」(だったかな?)と、代わりに書いたのは
達筆な「忠」の一文字。

子供は喜んで、早速その凧をあげに行きますが・・・
この子、この前の段階で、凧がなくていじめられてるんですよね。
で、「みんなみたいな凧を」と武者絵を望んだのに
シンプルな文字になっちゃって、実は内心「がっかり」だったり
しなかったんでしょうか(^_^;)

いや「忠」の一文字の凧もシンプルで、且つ意味深で、かっこいいとは
思うんですが、このくらいの小さい子にこのシンプルさのよさとか
「忠」の字の心意気とかが納得いくもんかなぁ と、つい思ってしまって(^_^;)

・残される女達
幕切れ、男たちは晴れがましく討ち入りの集まりに向かい、妻たちは
それを見送るわけですが、つらいですよねぇ、これは。

特に、娘のさちちゃんなんか、18で未亡人ですよ。
それも力弥よりもひどいことに初夜もなし。
こういう家庭環境で15年育ってきて、「仇討ちはおめでたいことなんだ」
という意識がすりこまれているにせよ、その心中、いかほどかと。

あと、この後のこの2人の暮らしも気になります。
男手がいなくなり、老母と娘2人だけ。
まぁ、きっと忠儀の浪士の家族ということで、色々と廻りが面倒をみては
くれるのかもしれませんが。
その辺は、仇討ちする身には、どうでもいいことなんでしょうかねぇ・・・

・ご贔屓チェック
・歌昇さん
出番がたくさんでうれしい~な~♪
途中、酒乱状態がでるんだろうか・・・とドキドキしましたが、なくてよかった♪

・吉之助さん
按摩で登場♪ 短い出番でしたが、盲目の手探りぶりとか、上手かったです♪

・吉之丞さん
私、吉之丞さん、好きなんですよね~。なんともいえない品というか、味というか・・・
今回もそれを堪能させていただきました。

筋書きのコメントによれば、吉之丞さん、以前にもこのお芝居に出演されたことがあるそうで、
そのときは、今回桂三さんがやってる浪人だったようです。ちょっとびっくり(^_^;)。

それに吉右衛門さんの「女房役」というのは、今回初めてだそうです。これもちょっと
びっくり。
今までは「女房」ではなく「おっかさん」だったそうです。なるほど!

吉之丞さん、「この年になって女房なんて恥ずかしい」というようのなことを
おっしゃってますが、私が感じる限りでは、先にも書きましたが、吉右衛門さんと、
とてもすてきなご夫婦になってたと思います♪

・松江さん
今月、これ一役?? なんか、もったいないな~


◆花道度:中
一幕目で歌昇さんが決闘の場に駆けつける出と、
最後、吉右衛門さんと歌昇さんが仇討ちに向かうひっこみ
あとは途中、松江さんの寺坂のひっこみ
とこの3回くらいだと思います。少なめですね。
でもご贔屓の歌昇さんがいっぱい花道を通るので「中」にしました♪


2:清水一角
◆のたりの眼
すみません、全編とおして、ほとんど寝こけてました(ーー;)
うーん、やはり昼食後というのが敗因でしょうか。

というわけで、この演目については ほんのちょっとだけ。

・歌六さん
いい声だ~っ♪

・ふすま
歌六さん扮する上杉家の武芸家:牧山さんちの漢詩のふすま、
濃い緑の太いふちどりで黒地に白で漢詩がかかれているものなんですが、
なかなかかっこよかったです。

ぴりっと部屋の空気が締まるような、感じといいましょうか。
でも、ちょっと威圧感があるので、寝室には嫌かもしれませんが(^_^;)。

・種太郎君
筋書きによると、今回のお役は芝翫さんにご指導を受けたそうです。
なぜ芝翫さんなんだろう??
ちょっとセリフにぎこちなさがありましたが、役へのチャレンジ意欲は
感じられました。


3:松浦の太鼓
◆のたりの眼
・年齢逆転。
松浦公と其角は、実際は松浦公がじい様で、其角がおじさんなのを
お話では年齢逆転させているらしいですが、そのままでも結構面白いんじゃないか
と思うのは、お茶目なじい様が好きな私ゆえ でしょうか?

・吉右衛門さんの笑い
あのスケベ笑い、好きだな~♪
いや、吉右衛門さんがスケベというわけではなくてですね(^_^;)。
あぁ、それにしても、この殿様も、かわいい人だなぁ♪

吉右衛門さん、筋書きのコメントで、このお芝居や1本目の「堀部弥兵衛」について
「やる方も楽しまないと、お客も楽しめないお芝居 とおっしゃってましたが、
ほんと、役者さんも楽しんでるのが、わかりましたし、たしかにこちらも楽しい
気分になりました♪」

・「佐久間」じゃなくて「左司馬」か!
松浦公の近習?の中でも1番格のお侍がご贔屓の吉之助さんでした~♪
松浦公が彼を呼ぶとき「佐久間」といっているように聞こえてたんですが、
今、筋書き見たら、このお役の名前は「鵜飼左司馬」。
「左司馬」って呼んでたようです(^_^;)

・又之助さんもいるぞ~♪
同じく近習に これもご贔屓の又之助さんも発見♪

・なぜか見つけてしまうんですよね、又次郎さん。
下手側にいた足軽衆のお1人です。
なぜか、私、又次郎さんに目が止まることが多いです(^_^;)。

そういえば、下手側にいた足軽衆は ちゃんと両膝あげて、えーと、
尾上辰巳さんのブログにでてましたが「蹲踞」というんでしたっけ。
その格好ですわってましたが、上手側にいた足軽衆は 片ひざついてました。
上手の足軽衆は新人さん?

・芝雀さん
ああいう娘お女中の姿は なんか久しぶり??
それにしても、さっきは吉良方の姉、今度は浪士側の妹と
正反対ですね~。なんか「芝雀さん 大忙し」って感じがしてしまいます(^_^;)

・山鹿流つながり
松浦公が内蔵助と同じ山鹿流の陣太鼓をやっていて、それなりの腕だった
というのは、覚えていたんですが、上杉家の千坂兵部も山鹿流の名手のひとり
だったとは!本当かどうかわかりませんが、面白いところでつながってるもんですねぇ。

・殿様の申すことはもっともか??
松浦公が内蔵助の放埓を責めて、「上に立つものが・・・」と文句をいったのに
其角が「御前様の申すこともごもっとも」というのですが、
その殿様自身、上に立つ身でありながら、対面や外聞を気にして、というか
個人的な好き嫌いの一存で、なんの落ち度もない女中を、そうとわかりながら
あっさりクビにしようとしてるんですよねぇ。
「人のことを言えないんじゃないかなぁ」となんかちょっとひっかかってしまいました(^_^;)

・雪幕、花道を走る
最後の幕の直前の幕間、花道を本舞台の方から白い雪幕がサーッと揚幕の方に
敷かれていきます。といっても、人が雪布の端をもって引っ張っていくわけでは
ありません。まるで生きているかのごとく、サーッと雪幕が揚幕にむかって
伸びていきます。
多分、揚幕の方から、ひもかなんかで引っ張っているんだと思いますが、
ちょっと「おぉっ」という感じでした。

・ちょっと「兄」は無理が・・・(^_^;)
最後、大高源吾が妹に「これからは其角殿を兄と思って・・・」といいますが、
実年齢ならともかく、お芝居の其角さんじゃぁ、ちょっと年を喰いすぎのような(^_^;)。
まぁ、そんなこと関係ないんでしょうけど(^_^;)。

・「風流はここじゃのう」「そこでございます」
最後の松浦公と其角のやりとりですが、すみません、セリフの響きとしては好きなんですが、「一体、なにがここでそこなんだーっ!」と無風流な私は突っ込みたくなってしまいました・・・(^_^;)

・大正解♪
好きですね~、これは、もう♪
これがあるから、今年最後の観劇は国立にしたんですが、やはり大正解でした♪
あー 楽しかった~♪

◆花道度:低
其角の出と源吾のひっこみ、其角とお縫のひっこみかけ、
最後の幕で、門番の出入りのあとに源吾の出。
くらいでしょうか。
コメント (2)
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