のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年1月:マクベス

2006-02-09 23:25:43 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆座席:涙の桟敷席 2列目

◆人物関係
魔女に運命をささやかれちゃうマクベス(右近さん)
したたかに旦那に悪事をそそのかしておきながら
最後は犯した罪ゆえの狂気に陥るマクベス夫人(笑也さん)
マクベスのお友達で魔女に「自分にも」と運命の予言を要求したバンクォー(谷田歩さん)
マクベスを滅ぼす出自の持ち主で、妻子を捨ててイギリスに逃げときながら
祖国への愛に燃えるマクダフ(中井出健さん)
マクベスに殺されちゃう温厚な国王:ダンカン(菅生隆之さん)
その息子で親父の死後、一目散にイギリスに亡命したマルカム(喜之助さん)
旦那に突然、子どももろともおいていかれたあげく、マクベスに惨殺されてしまうマクダフ夫人(山賀晴代さん)

魔女の親玉:ヘカテ(紫さん)

◆あらすじもどき
マクベスっつーあんちゃんが、3人から6人に増殖した魔女に囁かれた予言のとおりに
出世し、夫婦で手を血に染めて国王の座を得て、友人を殺し、その亡霊に悩まされ、
最期には女から生まれなかった者にほろぼされるまでの物語


◆お話の感想
「マクベス」そのものを見るのは初めてなんですが、
以前、新橋演舞場で、吉右衛門さんと麻美レイさんのご夫婦でやった「蜘蛛の巣城」をみましたので、
今回の設定は全然違和感なく受け止められました。
ちなみにこの時は3人の魔女がリストラされて?ピーターさん一人でした。

ただ、今回、登場人物の名前がバリバリにカタカナで、人物関係も頭に入ってないもんだから、
セリフに人の名前が挙がるたびに「『ダンカン』ってだれだっけ~?<(ーー;)」 と
頭を悩ませてました。
筋書きもあったんですが、なんせ場内は暗いので、筋書き開いたって読めません(^_^;)
でも、まぁ「蜘蛛の巣城」の下地があったおかげで、なんとかついていけましたが、
登場人物少ないんで、事前に人物関係くらいは押えておくべきでした。反省。

で、「蜘蛛の巣城」を見たいっても、筋なんかほとんど覚えちゃいません(^_^;)
後半の「森が動く」とか「女から生まれた者」のトリックも、見てるうちに
「あぁ、そういや、そんなのが」と思い出したくらいです。

しかし…帝王切開だったにせよ、マクダフは女から生まれたとはいわないんでしょうか…
気にしちゃいかんところなのかもしれないんですが、なんか気になります(^_^;)

それと、マクベスが滅びるのは勧善懲悪だからいいんですが、妻子をすててイギリスに逃げたやつがマクベスを倒すヒーローになるってのは、どうなんでしょう?

あと、バンクォーへの予言。たしか、この予言も成就すると記憶してるんですが、
今回の劇中ではそのへんはふれられずじまいでした。

◆役者さん
右近さんは 奥さんが死んだと聞かされた時の表情と、その変化していく様が、なんとも言えずよかったです。
今回の右近さんのマクベスで1番印象に残ったのは、あの表情です。
まぁ、ばっちり桟敷席の方を向いての表情だった ということもありますけど(^_^;)

笑也さんの奥さんは、妖しいきれいさにあふれていました。
最初のマクベスを国王殺害に持ち込ませるあたりは、まさにその妖しさ爆発。
ただ、狂気のところは それほど狂気を感じなかったんですよね。

今回 個人的にツボだったのは、バンクォーの谷田さん。
なんとも かっこいい~♪ 重厚なバンクォーの感じがバリバリしてます。
死後もたくさん出てきてくれてうれしかった♪

その際、マクベスの従者のような役回りででてくるんですが、生きてる時と変わらない重厚さで受け答えしていたのが、最後、「森が…」と報告するところだけは、口調が弱いんです。それが、かえって印象に残りました。

お二人の他、歌舞伎の世界からは 唯一、右近さん門下の喜之助さんがご出演。
いいお顔してるな~ほんと。
セリフもたくさんあるんですが、その端々に「あ、右近さんに言い方が似てるかな」
と感じるところがありました。さすが師弟。

国王の素質うんぬんの問答をするところは、マクダフの役者さんと真向対決状態なんですが、
なかなか見せてくださいました。これからが楽しみ~♪

マクダフの奥さんの女優さん:山賀晴代も うまかったです。
本物の女性の方がでてくると、やはり笑也さんのは、女性に思えるんですが、本物の女性とは、また、ちょっとちがうなぁと感じてしまいます。
どっちがどう ってことではないんですけどね。

国王:ダンカン・従者・マクベス夫人を診察する医者 と3役に忙しい菅生隆之さんが、アルパチーノなんかの吹替えをされてる方とは、家に帰ってパンフレットじっくり読むまで気がつきませんでした。(^_^;)もっと声を注意して聞けばよかった~

紫さんは、もう、なにやっても 良くも悪くも紫さん。(^_^;)
魔女の親玉って言われてもちっとも違和感ないのは、狐の親玉やったのを見てるからかな~。

◆衣装
女性陣(マクベス夫人・マクダフ夫人)の衣装が、素敵です♪
着物のようで着物じゃないようで、多分原型は着物なんだと思うんですが。
どんな構造になってるのか、解体してみたいな~ あの衣装。

あと、王様のマントが革張り?でかっこよかった~。
…私って、マントに弱いんだなぁ。(^_^;)

時々、歌舞伎の定式幕みたいな裃とか「う~ん ちょっと違わないか、それ」と
いうのもありましたけど。

あ、あと、最後にマクベスに向かって攻め入るマルカム・マクダフらがつけてた
袖なしの上着、かな? あれが、シンプルにシックで でもなぜか印象に残りました。

◆演出
光と影の使い方が上手いです。特に、影の作り方といいましょうか。
場内は暗いのはもちろんですが、能舞台も明るいようで、でもよく見ると薄暗いようで、でも、暗いという感じもさほどなくて、なんとも不思議な照明空間でした。

それと、最後、光に向かっていくマクベスと夫人の唐傘片手の道行は、よくあるような演出ながら、演じるお二人の顔ぶれのせいか、めずらしいような気がしました。
普段、歌舞伎の花道の引っ込みで、揚幕からあんなにガンガンに光が当ることは
ありませんからね~。

あと、面白かったのが魔女。
原作は魔女は3人なんですが、今回は増殖して6人。
みんな着物におかっぱの童女の姿。
動きはブリキのおもちゃのようなぎこちなさ。
高らかな声で歌もうたってくれます。

この魔女、面白かったんですけど、ただ、この魔女の中で
やたらと腕をプルプル動かしてる方がいる人がいました。
パタンパタンという歩みにあわせて自然に揺れるくらいでも、十分雰囲気でるのになぁ。
影に大きく移るし、なんせ6人が似たような動きをしている中だけに、結構、眼についちゃいました。

それから、登場人部がしょっちゅう、枯れた笹のようなものを手にして出てきます。
意味はなさそうなんですが、手持ち無沙汰にならなくていいなぁ あれ。と思いました。

他にも 布や傘や いろんなものが効果的に使われます。
意味不明ながらも不思議と耳にここちよい シェイクスピアのセリフも
なんというか、この異空間的なスペースの中では楽しめました。

それから、能舞台ですから、幕が下りません。
そこを感じさせずに上手く場面転換も幕切れもしてくれています。

あと、最後、役者さんが全員出てきてご挨拶なんですが、
どの席の人にも見やすいようにという配慮からか、能舞台の右手前から 橋掛かりにかかるような対角線上に役者さんが並んでくれます。
役者さんのお顔がよく見えたのでうれしかったです。
椅子席の正面と脇正面の間の席の人は、柱がちょっと邪魔だったかもしれませんけど。
(^_^;)
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桟敷席色々。

2006-02-09 00:10:18 | 観たぞ: 観てきて一言
東中野の能楽堂で 澤瀉屋の右近さん・笑也さんご出演の「マクベス」を見てまいりました♪

まず、中野坂上の駅を出るのに迷いました(^_^;)
どこの出口から出たらいいのか、わからなくて・・・<(ーー;)
(ちなみにA2出口を出て左に向かうのが正解です。)

会場の入り口も、通りから少し引っ込んでいるので、
これから行く方、見逃さないように気をつけてくださいね~。

さて、今回、1番お手ごろ価格なA席にしましたら、なんと「桟敷席」。
「桟敷」。歌舞伎座では憧れのこのお席。
その実態は、3畳ほどの畳の空間にお座布3列。
・・・まぁ、予感はあったんですけどね。(^_^;)

ちなみに上演時間は15分の休憩を含めて2時間35分。
・・・・腰とお尻にきました・・・<(ーー;)
そっちの痛みが気になって、舞台への集中力も削がれがち。

橋掛かりの根元の横で、結構、舞台は見える位置なんですが、
なんせ、畳敷きに傾斜なんかありませんし、
特に交互になるように位置がずらしてあるようなお座布の配列でもありません。
今回は、幸い、後ろの列に人がいなかったので、コートを丸めて
その上に座ったりしたりして、見通しはよくできましたが、後ろに人がいたら
姿勢変えるのすら難しかったかも。(前後左右、わりと詰まってます)

これだったら、ケチケチせず、もう1000円払って
S席にしときゃぁよかったかな・・・(T_T)

お手元に桟敷席のチケットのある方。どうぞ覚悟してお出かけください。(^_^;)

なお、もれなく5月中日劇場の「雪之丞七変化2006」の仮チラシがもらえます♪(入り口でもらえるチラシ束の中に入ってました)
あと、3月国立の本チラシも場内においてありました♪

肝心のお芝居の感想ですが、今日は腰が心配なので、やめてとっとと寝ます(^_^;)
おやすみなさーい。

追記:
なぜか今日は気持ち悪くなるくらい、場内暖房ガンガンでした。<(ーー;)
yayaさんのブログ(ヤマトタケルの夢:http://blog.goo.ne.jp/yaya1986/)
の初日の日のことを書いたブログによると、寒くてコート着たまま見てる人もいたそうなので、覚悟していったんですが、改善してくれたのかな?
でも、今日に限っていえば、改善とおりこして改悪な暑さでした・・・
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする