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国際会計基準のロードマップ案を米国が公開、2016年に全面適用へ

2008-12-01 11:26:30 | 会計・税務(会計)
内部統制.jpより

米国証券取引委員会(SEC)は、米国の上場企業に向け国際会計基準の適用時期のロードマップ案を公開した。2009年2月14日までコメントを受け付ける。ロードマップ案では2016年12月15日以降に終了する事業年度から、すべての企業に国際会計基準の適用を義務付ける計画となっている。日本も現在、国際会計基準の適用に向けて金融庁が議論を進めている最中で、米国のロードマップが日本の議論にも影響を与えそうだ。

 SECのロードマップ案によると、2016年の全面適用を前に2014年から米国の企業区分による「大規模早期提出企業」への適用を強制。2015年から「早期提出企業」に適用するとしている。強制適用の前に、2011年から一部の企業に対して国際会計基準を適用した財務諸表の提出を認める。

 国際会計基準は、欧州を中心に100カ国以上で利用されている会計基準。会計処理の詳細を定めずに、基本的な考え方だけを提示する「原則主義」を採っている、連結決算や貸借対照表を重視するなど、現在の日本の会計基準と考え方が異なる部分が多い。

 EU(欧州連合)諸国では、2005年度以降に提出する連結財務諸表から国際会計基準の適用を義務付けている。一方で、日本や米国はそれぞれ自国で作成した会計基準を適用している。

 現在、日本も米国も自国の会計基準を国際会計基準に近づける「コンバージェンス(収れん)」プロジェクトを進めている。2009年4月以降に始まる事業年度から、受託ソフトウエア開発の売上高の計上に義務付けられる「工事進行基準」もコンバージェンスの一環だ。

 だが米国は、世界的な情勢から国際会計基準そのものを自国の会計基準として適用する「アダプション(適用)」に切り替えた。これが今回のロードマップの発表につながった。日本でもアダプションに向けた話し合いが金融庁で10月から始まっている。