サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

挫折を知らない若い人への対応について

2016年12月18日 14時23分21秒 | 日記
年に数回、学生さんとお話する機会がございます。この頃、こんな質問を受けることがございます。「採用面接で、貴方の挫折した経験をお話しくださいと言われて回答できませんでした。なんて答えればよかったのでしょうか。」と。そこで、私は「挫折という言葉を失敗・後悔したことと考えてみたら、あるのではないですか」と。しかし、ここでも「そういうものはないですね」と回答を頂きました。もちろん、鉛筆で誤記し、消しゴムで消したものは失敗のうちには入らないという認識はあります。まぁ私が採用面接をやっているわけではないので、お互い気楽に話しているのですが、どう対応してよいいのか困りました。
 少し考えて、私は次の質問を投げてみました。「何か目標をもって取り組んだものはないですか」と聞いたのですが、「そういうものもないですね」と回答。さすがにも困りました。実は、この質問の意図は、学生さんがどんな失敗をしたかを知りたいのではないのです。成功・失敗をどう理解しているか。もし、それが失敗だったとしたら、原因は何か。原因に対してどんな対策を考えたか。対策の実行はどうであったか。実行した結果はどうであったか。そして、それが当初目標と結果の乖離があるとするならば、それをどう考えているか等の質問ができるのです。面接が紋切り型にならないための対話ができるのです。この対話により、そのひとの姿が浮かび上がってくるので。
 しかし、それもないということなので、「では、今やっていることで、失敗しそうなことを想定して、そこにはどんなリスクがあり、どんな対策があり、どう実行していくかを考えてみませんか。例えば就活なんかよいテーマかもしれませんね」という回答をしておきました。
 事の当否はどうであれ、こういう人が会社に入った後、大丈夫かなと思いましたね。今までが順境すぎたのであって、これからはおそらく多くは逆境です。レジリエンス、つまり折れない心、跳ね返す意志をもって、実力を発揮していかねばなれません。それができるでしょうか。
 私は、これは「不幸な順境」と名付けています。もし、嫌なことを避けてきたとしたら、マイナスです。言葉が不適切ですが、「負け戦」とわかっていても、最小失点に抑えて切り抜けなければならない立場に立たされます。大なり小なり。どんなことでもよいから、勝負する場面に身を置くべきと思いました。できれば、チームで役割を担った中で、成功・失敗を経験してほしいですね。

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