メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

赤道コンチェルト

2011-12-11 15:08:46 | 音楽一般
アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974): ピアノ協奏曲「赤道コンチェルト」
ダリウス・ミョー(1892-1974): ピアノ協奏曲、世界の創造(ピアノ四重奏曲版)
ピアノ:フィリップ・アントルモン
ジョリヴェ、ミヨー指揮 パリ音楽院管弦楽団
 
1965年~1967年に録音されたもの。LPレコードで発売され、CD化は初めてとか。これもタワーレコードが大手レコード会社ではなかなか復刻に踏み切れないものを自身の企画でシリーズ化して発売しているものの一つ。こういうのは楽しい。
レコード発売当時はこの太陽フレアのようなジャケットも評判で、よく覚えている。レコードは当時でも2000円したから、ちょっと面白そうというだけでは手が出なかった。
今回は1000円ちょっとで、買ってみた。
 
赤道コンチェルトというのは3つの楽章がアフリカ、極東、ポリネシアの赤道下地方の音楽を素材にしてつくられたから、と解説には書いてある。ただし、CD版など、アルファベットの表記にはそれらしいものはない。まあ、そんなにイメージが外れていないからいいけれど。
 
音楽は確かにそういう熱いヴァイタリティあふれたもの。ただ、3つの楽章を通じて、同じ調子で単調といえば単調である。
 
そこへいくとミョーの協奏曲は、短いがもう少し変化に富み、これは昼も夜もある音楽。ミョーという人はポール・クローデルとブラジルに行って活動していたりしていて「屋根の上の牛」とか題名からして面白いものを書いている。「世界の創造」もなかなかいい。
 
ピアノのアントルモンは懐かしい。当時はフランスの若手というのはあんまりいなくて、ばりばり弾く他国の人たちと比べると、録音などでもちょっと損をしていたようだ。
 
パリ音楽院の音、そして作曲者自身の指揮、フランスの音楽界は20世紀前半からこのあたりまでは、特別に前衛とはいえなくても、新鮮で活気があったように思う。
教育者の面でも、ラベルのあとこのミョーとかジョリヴェ、デュカスもそうだったか、フランスはもとよりアメリカなどに随分影響を与えたのではないだろうか。直接、間接にも、例えばピエール・ブーレーズ、モーリス・ジャール、マイルス・デイビス、バート・バカラックなど。
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