メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ジャズ発表会

2016-11-04 21:31:45 | 音楽一般
音楽教室のジャズ発表会に参加した。銀座ヤマハのビルにあるサロンが会場。
今年、レッスンを受け始めて7年になるヴォーカルでは、コール・ポーターの「Just one of those things」、4年目のピアノではシャンソンが原曲の「枯葉」を演奏した。今回もヴォーカルつきにしている。
 
前者はこれまで何度か歌っているコール・ポーターのなかでも一番難しかった。なにしろ楽譜どおりにやってみてもまるでさまにならない、というかまるで面白くない。シナトラはどうやってあの歌い方にもっていったんだろうか、と首をひねった。それでもシナトラの録音をなんとか参考にしながらというか真似しながら、練習した。本番もバックのピアノトリオとのマッチは今一つだった(もちろん原因は当方にある)とは思うのだが、聴いていた人達の評判はまずまずであった。シナトラがやっているように繰り返し部分は半音あげて歌った。昨年もそうやったが、これは効果的だと思う。
 
さて枯葉、これはジャズでよくやられる曲だが、そこでは前半のVerse調の部分を省いたものが素材になっている。だから英語の訳詞も後半しか存在しない。
今回は、大人になる前からシャンソンの枯葉になじんでいたこともあり、前半をいかそうとここはピアノ主導でフランス語で歌い、後半の冒頭から英語の歌詞でスウィング調に移った。
 
アドリブは2回、2回目の冒頭と最後は、この曲をアメリカでヒットさせた立役者の一人、ポピュラー・ピアニスト ロジャー・ウィリアムスのアイデアを借りた。あたかも枯葉がひらひら舞い落ちるのを思わせる華麗な下降スケール、これは短3度の2音を半音ずつずらして下降するものだが、そのままは私には無理なので単なる下降スケールにした。そして最後のコーダもそのままではないが、何とか納得いく形を作った。
 
さて本番では、アドリブの後半あたりから外しまくりの感もあったが、このところそういう時はやるように、左手のコードはベースにまかせ、右手のメロディー部分をなだめながら着地点をさがしてもとにもどし、なんとかうまく終えることができた。
スリルもあったが、こうしてソロで練習中だと止まってしまいもどって繰り返すところを、中断しないで最後までいってしまう、いけるというのは、アンサンブルの面白さである。
 
それとコスマが作った枯葉のコード進行、よくできてるからジャズの楽器奏者に好まれるということは、感覚的に理解できた。
 
ところで、この枯葉は当日の「とり」であった。もちろんうまいからというのではなく、おそらく音楽教室で、こういう年長者で経験者でなくてもなんとか楽しめるようになりますよ、というサンプル提示だったのではないか、と推察している。
しかし悪くはない気分。

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