イヴ・サンローラン(Ive Saint Laurent、2014仏、106分)
監督:ジャリル・レスペール
ピエール・ニネ(イヴ・サンローラン)、ギヨーム・ガリエンヌ(ピエール・ベルジュ)、シャルロット・ルボン(ヴィクトワー)、ニコライ・キンスキー(カール・ラガーフェルト)
じヴ・サンローランの生涯については、すでにすぐれたドキュメンタリー映画があり、そこでは今回の映画でも出てくるサンローランのパートナー(公私ともの)であるピエール・ベルジュのモノローグが説得力を持っていた。それに比べると、今回の劇映画はいま一つ意図がはっきりしない。
サンローランとベルジュがディオールの死後に、そのブランドを引き継ぐ形になったものの、トラブルが生じ、独立したブランドになるところまではそう問題ない。しかしその後、サンローランの虚弱なからだ、鬱病、そしてそれらと結び付けられがちな非難・中傷の中におかれ、またそれからベルジュとも軋轢があり、というところを、まともに描きすぎていて、それらの中で彼の仕事がどうなっていったのか、必ずしもわかるとはいえない。ここで見るとかなり下り坂のように思えるが、実際はそうでもないだろうし、第一線から退いてもそこそこの年齢までは生きていた、ということともマッチしない。
クチュリエとしての仕事の変遷や彼が生まれたアルジェリアなどについてもう少し描かれればよかったと思う。それでも、オートクチュール新作発表のショウの舞台裏、特に誰をどこに座らせるかなどは、なかなか面白かった。
監督:ジャリル・レスペール
ピエール・ニネ(イヴ・サンローラン)、ギヨーム・ガリエンヌ(ピエール・ベルジュ)、シャルロット・ルボン(ヴィクトワー)、ニコライ・キンスキー(カール・ラガーフェルト)
じヴ・サンローランの生涯については、すでにすぐれたドキュメンタリー映画があり、そこでは今回の映画でも出てくるサンローランのパートナー(公私ともの)であるピエール・ベルジュのモノローグが説得力を持っていた。それに比べると、今回の劇映画はいま一つ意図がはっきりしない。
サンローランとベルジュがディオールの死後に、そのブランドを引き継ぐ形になったものの、トラブルが生じ、独立したブランドになるところまではそう問題ない。しかしその後、サンローランの虚弱なからだ、鬱病、そしてそれらと結び付けられがちな非難・中傷の中におかれ、またそれからベルジュとも軋轢があり、というところを、まともに描きすぎていて、それらの中で彼の仕事がどうなっていったのか、必ずしもわかるとはいえない。ここで見るとかなり下り坂のように思えるが、実際はそうでもないだろうし、第一線から退いてもそこそこの年齢までは生きていた、ということともマッチしない。
クチュリエとしての仕事の変遷や彼が生まれたアルジェリアなどについてもう少し描かれればよかったと思う。それでも、オートクチュール新作発表のショウの舞台裏、特に誰をどこに座らせるかなどは、なかなか面白かった。