メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(映画)

2011-07-21 10:56:34 | 映画
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(The Girl With Dragon Tattoo、2009年スウェーデン・デンマーク・ドイツ、153分)
監督:ニールス・アルデン・オブレヴ、原作:スティーグ・ラーソン、脚本:ニコライ・アーセル、ラスマス・ヘイスターバング
ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、スヴニン=ベルティル・タウベ、ペーター・ハーバー、エヴァ・フレーリング
 
少し前に読んだベストセラー三部作の第一作を映画化したもの。本の方もまだ第一作しか読んでいない。
想像したよりは原作から離れないで、テーマは共通し、最後の落としどころもずれていない。
もちろんこれだけ詳細、豊富に書き込んだものだから、ジャーナリストの主人公が率いていた雑誌社とそのスタッフ、そして事業化一族のきわめて多い登場人物については、かなり限定しているから、もしかしてこの人が犯人と思わせる寄り道は少ない。
それでも手際よく、読んだあとでも、その場面を具体的に想像できてよかったと思わせる。
 
ジャーナリストは原作でも現地でジョギングして体つくりという設定になっているが、それにしてももう少し体躯がシャープな方がいいと思う。タイトルの「女」(調査員)は子供の時から問題児の天才ハッカーだけれども、想像ではもっと病的な風貌と想像していたが、それほどでもなかった。ただ後から考えればたくましいところもあるわけで、ジャーナリストともども北欧の基準からすればこれでいいのかもしれない。
 
背景にある猟奇犯罪の数々は、こうしてみるとリスベット(女)の過去とつながっているということがここではよくわかる。
ハッカーの世界だからか、多くの画像、映像をずばやく動かし、重ね、それが話を手際よく説明することに、結果としてなっている。
 
一般論としては原作からか、映画からかにはこだわらないし、映画を見ることになっていればあえてあわてて原作を読むということはしないのだが、これはたまたまだけれども原作を読んだ後でよかったと思う。見ただけで原作を読む気にはならないかもしれない。
 
細かいところで、ジャーナリストが現地で依頼主から調査用に貸してもらう車は、原作ではメルセデスだったと思うが、映画では遠くから見たら日本車?と思って、アップされたときに注意してみたら「起亜」!なんと。

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