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ポジティブ・コミュニケーション力アップ 

2020-12-03 | ポジティブ心理学


ポジティブ・コミュニケーション力アップ 

●不機嫌な職場
 不況の影響もあってか、日本の職場、不機嫌に満ち満ちているらしいです。「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 (講談社現代新書):という本で知りました。
 自分の職場である教室も、不況とは関係なく、実に不機嫌な顔をした学生諸君で満ち満ちています。
 保健室はいかがでしょうか。
 日本の社会、どうしてこれほど不機嫌がまんえんしてしまったのでしょうか。
 忙しすぎる仕事、高度の集中力を要求するIT依存の仕事、厳しい能力主義と競争、リストラ不安、いや、いまやリストラ恐怖などが影響していると思います。
 しかし、不機嫌は、不機嫌な本人にとってはもとより、その周りにいる人々にとっても、なんの得にもなりません。お互いにストレスを溜め込むばかりです。
 不機嫌職場の典型とも言える保健室。
ドンキホーテになるかもしれませんが、個人的な努力で少しは周りを元気に明るくしてみませんかという話をここでしてみたいと思います。

●ポジティブ・コミュニケーションとは
 コミュニケーションの基本は、情報の伝達です。過不足なく正確に、かつわかりやすく情報を相手に伝えることです。これまでは、これに関連する力のアップについて考えてきました。
 しかし、コミュニケーションには、時にはそれらと同時に、あるいは、別途に、喜怒哀楽を伝える役割もあります。
 ポジティブ・コミュニケーションは、こちらのほうの話です。しかも、「喜」と「楽」の気持ちを伝えるコミュニケーションです。これによって、自分の気持ちを元気にするだけでなく、周りの人々の気持ちも元気するのです。
 ポジティブ・コミュニケーションがなりたつには、2つ密接に関連した要素があります。
 一つは、自分の感情がポジティブであること。
 感情は、大きく「快―不快」に分かれますが、ポジティブ感情は「快」をもたらす感情です。喜び、楽しいだけでなく、言葉で表現すれば、いくらでもあります。たとえば、
・うれしい 満足した 
・好き 心地よい 快適
・尊敬する 温かい 親しみ 協調 寛容
・希望 前向き 積極的な
・安心 安らかな リラックスした ゆったり おおらか 落ち着いた

 もう一つは、ポジティブ表現です。これは、さらに、言語的な表現と非言語的な表現とがあります。
 ポジティブな言語的表現は、上のあげたような感情表現になります。
 非言語的表現の代表的なものは、笑顔です。笑顔までいかなくても、その表情をみると、周りが元気がでるような顔ってありますね。
 余談になりますが、作家・瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語で「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。顔の表情によって周りの気持ちを元気にする施しをするの意だそうです。
 ポジティブ・コミュニケーションは、感情がポジティブでそれを言葉で表現して、さらに目に見えるようにすることで、自分も回りも元気にすることです。

●ポイティブ・コミュニケーションのコツ
 ポジティブ・コミュニケーションを効果的に行うようにするためには、どういうことに留意したらいいのでしょうか。全般的なことをまず、4つほど、あげておきます。具体的には、項目をあらためて、考えてみます。
  • 自分が元気になる
これは言うまでもないことですが、一番大事なことです。頭も気持ちも元気に保っていれば、それが周りに自然に伝染するからです。元気の感染源なら、誰も文句は言いません。

  • それを体全体で表現する
そして、心の元気はからだに無意識に反映されますから、あまり、これは意識することはないのですが、それでも、顔の緊張をゆるめ、姿勢を正し、顔をあげてゆったりとくらいの気持ちはあったほうがいいですね。
 一番は、笑顔です。笑顔つくりを毎朝、鏡でやってみてください。それだけで、元気になれます。項目をあらためて、考えてみます。
  • それを言葉で表現する
これは、かなり意識的な努力、そして、習慣化が必要です。
周りを元気にする3つの言葉、「挨拶言葉」「ほめ言葉」「感謝言葉」を豊かにして、TPOに応じて口に出す習慣をつけることです。これも、項あらためて考えてみます
さらに、
・ 照れくささ 特に、家族となると、これが邪魔になります。
  • ネガティブ認知優先 特に、出来上がりに高い完成度をもとめる場合は、「まだ」「もっと」のほうについ目がいってしまいがちになります。
の2つを克服ができるようにしておく必要があります。
  • 周りの元気を積極的に受け入れる
いつもいつも元気というわけにはいきません。そんなときこそ、周りの元気に自分が感染するようにしておくのです。周りから元気をもらうのです。
誰かがユーモアを発したら、即座に率先して笑う。ありがとうと感謝されたら即座にありがとうを返すのです。
自分を周りに敏感に応答できるようにしおいて、周りの元気だけでなく、怒哀をさえも共有し、それに巻き込まれてしまうくらいの気持ちがあってもよいと思います。
これは共感性を高めることにつながりなります。
 最後に、あのニーチェの言葉を引用しておきます。味わってみてください。
「今日からは、日に十回は周囲の人々を喜ばせるようにしようではないか。
そうすると、自分の魂が治療されるばかりではなく、
周囲の人々の心と状況を、確実に好転していくのだ。」
(「ニーチャの言葉」(Discover)より)

●「ほンわかあ」1日40回運動
 ポジティブ・コミュニケーションの具体的な実践の話です。
 最近、高校生相手の出前授業をすることが多いのですが、その時の出し物の一つが、「ほンわかあ」1日40回運動です。
ほめる
わらう
かんしゃする
あいさつ
を一日それぞれ10回、合計40回すると、あなたも周りも元気になります、というものです。
 やや道徳的な説教めいて危ないところがありますが、あくまで心理学の立場からの話ということで、おもしろおかしくやっています。好評です(笑い)。
 ポジティブ・コミュニケーションは、この4つを心がければ十分です。
 いずれも、ごくごく当たり前のことなのですが、それぞれ、意外に奥が深く、心理学の研究の対象にもされてきました。

●「ほ」める
 親、教師、上司にとって、ほめるのは、簡単なようで難しいところがあります。何をほめたらよいのか、どのようにほめたらよいのか、どれくらいほめたらよいのか悩まされます。
  • 何をほめる
「すばらしいと思ったこと」「感心したこと」をほめることになります。これは、あまり難しいことではないと思いますが、心をほめるほうにバイアスをかけておかないと、すばらしいとか感心するチャンスが少なくなります。
 さらに、留意すべきことは、「何を、どこを」すばらしいと思ったかをはっきりさせることです。
 怪我で泣きながら保健室まできた子どもに、「保健室まで自力で来た」ことをまずはほめることです。
 ほめるところを具体化してやることで、子どもは、それが良いことであると気持ちよくわかります。一つ賢くなれます。
  • どのようにほめる
ほめることをみつけたら即座に自然にほめるのが、原則だと思います。
それによって、何がほめられたかもわかりますし、記憶にも残るからです。
 さらに、ほめる言葉も大事です。
 いつもいつも、「すばらしい」「さすが」「よくできた」では、ほめられるありがたさも半減します。ほめ言葉の語彙を豊富にしておく必要があります。
さらに、これは、気持ちをポジティブなほうにバイアスをかけておくこととも深く関係しますが、ネガティブ語彙をポジティブ語彙に言いかえられることも大事です。
・「これしかない」ではなく「まだこれだけある」
・「――しないと、―――できない」ではなく、
  「――すると、―――できる」
・「ちょこまか」ではなく、「よく動く」
・「愚鈍」ではなく、「落ち着いている」
・「きたない」ではなく、「使いこんでいる」
  • どれくらいほめたらよいか
 ほめすぎると、ほめることによる効果も次第に弱まっていきます。
 そこで、「7:3の法則」です。7つほめて、3つ叱るのです。
 3つ叱ることで、ほめることの効果を際立たせるのです。
もう一つは、叱ることも子どもを育てる上では必須だからです。
 「どうしても、それはやってほしくない」「それをすると子どもに不利益に(けがや病気など)なる」ことなどは、やはり叱って教えなければなりません。ここは、ポジティブ・コミュニケーションの領域外になります。
 
●「わ」らう
 感情心理学の研究トピックの一つに、「おかしいから笑うのか」(中枢起源説)と「笑うからおかしいのか」(末梢起源説)という2つの説が長い間、対立してきました。
 常識的には、「おかしいから笑う」ほうに分がありそうですが、いろいろの知見によると、そうでもなく、現在では、「笑うからおかしい」説のほうがやや有力のようです。
 それを確認したかったというわけではありませんが、神社の出店、笑い猫ロボットを買ってきました。背中にふれると、身体を回転させて笑い転げるのです。
 この笑いをみていると、こちらも笑いたくなり、結果として元気になります。(笑い)
 悲しくとて泣いている人に、「ほらほら、笑って笑って」と慰めることがありあすが、これも、末梢起源説を実践していることになります。
 毎朝、鏡をみて笑うトレーニングをすすめるのも何かで見たことがあります。
 いずれにしても、笑顔は気持ちの元気に密接に関係しています。
 しかも、笑顔には、周りに気持ちの元気を伝染させる効果もあります。これが、笑顔をポジティブ・コミュニケーションの大事な要素の一つとして取り上げた理由です。
 瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語に、「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。笑顔は、人に元気を施すの意だそうです。
 まさに、これです。
 笑顔は、中枢起源説によれば、気持ちをポジティブにもって、周りをポジティブに見る習慣をつければつくれることになります。末梢起源説なら、ともかく笑うこととなります。
 いずれにしても、それほど難しいことではありませんね。

●「か」んしゃする
 非行少年の社会復帰のために使われている内観療法では、少年たちに、感謝すべきことを徹底して内観させるのだそうです。それによって、自分は実はひとりではなかった、大切にされていたこともあったことを自覚することで、周りへの認識を改めさせて社会復帰のきっかけにしようとするのです。
 このように、感謝は、単なる社会的礼儀の域を超えて、周りへのポジティブな認識に導くきっかけ作りの役割があります。
 感謝の仕方は、魔法の言葉「ありがとう」ひと言ですみます。至極簡単ですから、誰もがごく自然にできます。
 あえて留意すべきことは、頻度です。けちらずに、「ありがとう」を一日10回を心がけることです。確実に、周りも元気になります。

●「あ」いさつ
挨拶するのは、自分があなたと同じ社会に属していますよ、そして、自分がその社会の安全な一員であることの宣言です。
「見知らぬ人に声かけを」との犯罪防止の標語を見かけたことがありますが、実際には、なかなか難しいのは、「見知らぬ人」だからです。都会で誰かれかまわず挨拶はしませんね。
ですから、意外と挨拶は面倒なところがあります。
まずは、「同じ社会」の一員かどうかの見極めがいるからです。顔見知りなら何も問題がないのですが、そうでないと、TPOと外見から判断するしかありません。これを間違うと、相手も戸惑います。
その懸念から、ついつい挨拶をおろそかにしてしまうことがあります。そんなときのためには、目礼がおすすめです。
普通の挨拶の心がけを、言葉遊びにしてみました。いかがでしょうか。
あかるく
いきおいよく
さっと
つねに



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