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2007-09-28 | わかりやすい表現


●ジェンダーの心理学

 客観性、論理性、価値中立性が重視される科学であっても、時代思潮の影響を多かれ少なかれ受ける。心理学の場合は、ナチス・ドイツでの優生学のように、時代の権力からもろに影響を受けた場合もあったし、ジェンダー心理学のように、深く静かに進行する価値観の変化に影響を受けることもあった。

 男と女は身体的にも心理的にも違いはある。問題は、その違いを、固定化する方向で、それとも活かす方向で、あるいは縮める方向で認めるかである。いずれの方向をめざすかによって、科学としてのジェンダー心理学の内容も方法論も異なる。それを決めるのは、時代思潮である。

 現在の日本のジェンダー心理学を支える時代思潮は、男女の扱いの違いに敏感でありつつ、それを殺すのではなく活かす方向にある。つまり、違いを違いとしたうえで、それを活かすにはどんな仕組みを社会の中につくりだすのが望ましいかを考えるようになってきている。したがって、必然的に、ジェンダー心理学の研究は、アカデミズムに自閉することなく、心理学の枠を越えて学際的な場で行われるようになり、さらに、社会と積極的にかかわる実践的、政策提言的な研究を志向するようになっている。
シコ

●自己暗示(autosuggestion)
言葉にはコミュニケーション以外にも、行動調整機能、思考機能がある。スポーツ選手などがここ一番の時に使う自己暗示は、言葉の行動調整機能の一つである。
言葉による自己暗示によって、注意の集中を高めて一気に力を出す、あるいは、反対にリラックス状態を作り出す。
いずれも、その人なりに工夫した暗示言葉がその人なりのタイミングで使われる。集中/リラックス儀式の一つでもある。
なお、催眠療法や自律訓練法などの心理療法において、組織的に自己暗示の訓練をすることもある。
◆至高体験
(peak experience)
恍惚感、神聖感、自己拡充感、絶頂感、
至福感、自己忘却感、滅私感などを伴った
体験のこと。宗教家や神秘家(特殊な予知能力や感受性を持った人)が体験する特殊なものとされてきた。
しかし、A・H・マスローは、こうした至高体験を特殊な体験とは見なさずに、普通の人間でも、自己実現の過程の節々で体験できる重要な体験として位置づけた。至高体験のなかで、種々の対立する二分法(たとえば、物と心、客観と主観、刺激と反応、自然と人間、個人と社会など)を超克し、より高次の包括的な自己の統一をはかるとされる。

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