かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(19)――朝日歌壇・俳壇から(2014年12月22日~2015年2月8日)

2015年02月09日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

 ほんとうにゴジラが生まれるのじゃないか刻刻溜まる核廃棄物
             (新潟市)太田千鶴子  (1/5 永田和宏選)

 復興の願いを友は語れども四度目の冬も二間の仮設
             (下野市)石田信二  (1/5 佐佐木幸綱選)

 フクシマはいつも三月夏も冬も今日も明日もいつもあの時
             (いわき市)馬目弘平  (1/12 永田和宏選)

 封筒も線量計も我が名前みんなカタカナこれがフクシマ
             (福島市)星守  (1/12 永田和宏選)

 汚染水のもとをつくった科学者が作業員とともにはたらいていない
             (川越市)小野長辰  (1/12 佐佐木幸綱選)

 フクシマに目を逸らしつつ再稼働進める国のあてなき行方
             (宇部市)崎田修平  (1/12 高野公彦選)

 かなしみの数だけともる仮設の灯ちさくこぼれて雪の降りつむ
             (福島市)美原凍子  (1/19馬場あき子選)

 吹雪く暮れ飯舘村へ五〇〇〇人の除染労働者黙して入り行く
             (福島市)澤正宏  (1/19馬場あき子選)

 愚かとは貧しきことよ亀たちよ今後先年被爆のなかに
             (いわき市)馬目弘平  (1/26 永田和宏選)

 空爆を受けたらひとたまりもない原発の空風花の舞う
             (福山市)武暁  (2/8 高野公彦選)

 

福島や落葉のやうに戻れない
             (三郷市)岡崎正宏  (12/22 金子兜太選)

 被爆の地蔦が真っ赤に木を縛る
             (福島市)池田義弘  (1/5 金子兜太選)



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