hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』を読む

2010年12月28日 | 読書2
朝井リョウ著『桐島、部活やめるってよ』2010年2月、集英社発行、を読んだ。
2009年、小説すばる新人賞受賞作品。

集英社のこの本の宣伝にはこうある。
バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな、しかし確実な波紋が広がっていく。物語をなぞるうち、いつしか「あの頃」の自分が踏み出した「一歩」に思い当たる・・・。世代を超えて胸に迫る、青春オムニバス小説。


5名の高校生が語る6章からなる連作短編。一話だけ、家族が事故で死ぬという話が入っているが、他はバレー部、野球部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部という高校の部活という狭い世界の話。
題名にある「桐島」は部長を止めたという話が何回か出てきて、ある種の象徴になっているだけで、本人は最後まで一度も姿を表さない。このあたりは、私は読んでいないのだが、『田村はまだか』に似ているのでは?



朝井 リョウ(あさい リョウ)
1989年生れ。岐阜県不破郡出身。 早稲田大学文化構想学部在学中。2009年、本作品で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。大学ではストリートダンスのサークルに所属している。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)

特にキャラの立つ人が登場するわけでなく、普通の男女の高校生のどうということない話だ。ただ、半世紀前の高校生としては、服装、会話、生徒間の2階層化など物珍しく読んだ。

外観、スポーツの出来不出来などで、目立つ人と、そうでない人により、「上」か「下」かはっきり2階層化されているらしい。「上の者に話しかけられると下の者は緊張してしまう」などの記述があり、「何じゃこれは!」と思う。

趣味の固有名詞がいろいろ出てくるが、当然ながら、私にはまったく馴染みがない。例えば、音楽はラッド、チャットモンチー、映画は岩井俊二、本は豊島ミホ、ポマード???は「ナカノの4」。「何じゃこれは!」

古代まれという古希が近い身には、嫉妬と劣等感でイジイジした狭い世界はあまりに遠かった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする