hiyamizu's blog

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「お七火事の謎を解く」を読む

2009年06月08日 | 読書2
黒木喬著「お七火事の謎を解く」2001年8月、教育出版発行を読んだ。

「火事と喧嘩は江戸の花」というが、私は、江戸の火事は振袖火事と、八百屋お七の火事しか知らない。そして、かねてから、なぜ歌舞伎や浄瑠璃で「お七」が有名になったのか知りたいと思っていた。放火といえば現代でも重罪なのに、芝居にまでなったのは何故か。会いたさ、恋しさ余って火をつけるというのも、無粋な私には解せなかった。

図書館で、タイトル「お七火事の謎を解く」を見て、さっそく借り出したが、裏切られた。
本書の大部分が、江戸の火事と復興の歴史であり、188ページ中、「お七火事」について書かれているのは44ページだけだ。その内容も、資料の解説であり、結論もその資料の内容はあやしいというものだ。

お七が放火したのは、実はボヤ程度で終わったこと、「お七火事」と呼ばれる天和二年(1682年)の大火ではお七は避難者であったのに、犯人として火刑になったことが、ある資料には書いてある。しかし、この資料の信憑性には疑問があるという。

これでは、「お七火事の謎を解く」の題名や、お七が降りかかる火の粉、火炎の中、火の見やぐらへ竹はしごを登っていく月岡芳年の表紙絵は一体何だ!(振袖のすそを乱した絵につられたおまえが悪い!?)



著者の黒木喬氏は、1933年東京生まれ。江戸災害史研究家。著書は、1977年「明暦の大火」、1999年「江戸の火事」など。



私の評価としては、★☆☆☆☆(一つ星:無駄)

江戸の火事災害に興味はあるのだが、詳しいことは知らないというごくまれな人にはお勧めだが、ほかの人には時間の無駄になる。

火事の被害といえば、庶民と思っていたが、本文や付録を見ると、多くの大名がその屋敷を火事で失っていることが分かる。



目次
1 江戸繁昌記
2 天和の治
3 天和の大火
4 謎解きお七火事
5 元禄の防火と火災
付 天和の大火罹災大名表/江戸災害関係略年表/参考資料

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