ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~禅の輪、無の境地~

2012-11-21 | 散華の如く~天下出世の蝶~
知らなかった。想像した事が無かった。
殿の幼き頃、また、沢彦様との出逢い。
殿の今が、過去にあった。
知りたくない事もあった…生駒の事。
初めて知って、良かった過去もある。
それに、沢彦様の事も誤解していた。
「御抹茶…美味しゅうございました」
今までの非礼と無礼に、更なる感謝を込めて、御抹茶の礼に頭を下げたら、
沢彦「これから、苦労をなさりましょう。若をお頼み致すぞ」
帰蝶「苦労前に、その御命落とす事無きよう頼みますよ。一人で殿の面倒見るのは嫌じゃ」
沢彦「かははっ。戦坊主はあくまで供養。殺生致しませぬ」
説法が終わり、飲み干した御茶を、
サッと片付け、
帰蝶「お手伝い致します」
沢彦「姫様の御手を汚す訳には…」
帰蝶「汚れたら洗えばよいのだな?」
茶碗を洗いつつ、
「茶の湯は身分皆無。それが、無…禅の教え」
沢彦「よう勉強しておられますな…仏の事」
二人で茶の湯の道具を片付けて、
片付けながら、こんな話をした。
帰蝶「知りたかったのです。殿の事…」
いつぞや殿が、眉間にしわを寄せ、無という文字一点、睨んでいた。
ムムッと目を細めて、殿の御顔をマネして見せた。
「次の瞬間、“無”を逆さにして、笑ったのです」
沢彦「無に非ず…と」
帰蝶「はい。何か意味があると思いました。それが知りたくて…」
沢彦「ここからこっそりくすねた経典でお勉強しておられたのでございますな」
帰蝶「こっそりくすねてとは、無礼な物の言い。一時、拝借したのです…て?」
沢彦「若が、喜んでおりました」

散華の如く~釈迦と、殿の悟り~

2012-11-20 | 散華の如く~天下出世の蝶~
沢彦「釈迦の説法にございます」
再び筆を取り、さらさら~と、白紙に文字を書いた。
花を拈(ひね)って、微笑む…
『拈華微笑(ねんげびしょう)』
禅の教えでつまる所、不立文字(ふりゅうもじ)…その意味は、
釈迦がいくら説法しても、無学文盲(むがくもんもう・知識も無く、文字も読めぬ者)では、
有り難き人生美談、中道正道人道の理解を得ず、
釈迦の説法は難解、悟り開くは高き志の遠い道。
悟るは無理無理と和合衆(門徒)は肩をすくめた。
説法利かぬ衆生に釈迦は花の首を傾げて見せた。
それを見て、一番弟子迦葉(かしょう)がにこり。
そうですねと釈迦に微笑み返したという挿話で、
「悟りは心から心。他が数多の言の葉使っても悟り開かせるは無、という話にございます」
帰蝶「それ…殿も、似たようなことを仰っていた…」
“人の心など、言うて知るものではない”
「まるで、小さなお釈迦様ね…」
殿が何を考え、何を成さそうとしておいでが、
凡人の私には、皆目見当が付かない。でも…、
御傍で、その何かを感じたい…殿の夢の構想。
殿が築かんとする未来を、知りたい、見たい。
これは私の中の第六天、にございましょうか?
沢彦「神や仏、若の全て知れば、面白味が無くなりましょう?」
帰蝶「面白いどころか…」
頬杖付いて、
はぁ…、深い溜息を付いた。
「こちらの身になって下さいませ…」
沢彦「帰蝶様の御輿で、坊主の荷が、ふわぁと軽くなりましてございます。かはははッ」
帰蝶「気に喰わぬ…無礼な」その笑い…沢彦様の呵呵大笑は、
彼の思いと共に、そのまま殿に引き継がれ、沢彦様を師とし、
心を、変える。その一念で殿は上に立たれ、動いておられる。

散華の如く~拈華微笑~

2012-11-19 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「え…と、吉法師様?」
一瞬、何を仰っているのか分からず、この坊主、困惑致しました。
“あ…と、経は読まんで良い。あれは、眠い”
「はぁ…」
いかん、この事態を何とか回避せねば…、
“そうだ、ちょっと待っておれ”
そこを動くでないぞと、ビシッと、やはり小さき人差し指で坊主の動きを制し、
やれやれ…ぽつねんと雅やかな大広間にお粗末な身なりの坊主が一人残されて、
広間中央から繁々と、絢爛豪華な屏風に襖、それらをのほぉんと眺めていると、
ガラッ
“こやつだ、こやつが、沢彦だ”
「え(・・;)?」
下手人(殺人犯)のように指差された私は、
ここ当代で吉法師様の御父上、信秀様と平手の政秀公の前に突き出され、
沢彦「この沢彦、後にも先にも、あれほど肝を冷やし時はございません」
帰蝶「まぁ、それは、それは、大変にございましたね」
沢彦様は、首を右に傾げて、あれは参りました…という仕草をなされた。
気難しい彼の意外な一面が垣間見れ、また、
殿の幼少期に親近感を覚えて、嬉しかった。
ほこっと真ん丸の餡菓子を連想し、心和やか、冷めた心が温かくなった。
沢彦「その後、政秀公に若のお相手を、と仰せつかりましたが…」
これまた苦労が絶えず、傾げた頭の米神に拳を当て、
うぅ~んと頭痛に悩む素振りを見せた。それもまた、
帰蝶「殿のお守りは、骨が折れましょうね」
分かる、分かるわ、私もよ。
と、一つ頷き、微笑んだら、
沢彦「まさに、拈華微笑…にございます」
帰蝶「え?」
今度は私が、沢彦様のお首とは逆、右に傾げた。
ねんげ?初めて聞いた言葉で、漢字が浮かばぬ。

老体鞭打って…

2012-11-19 | アクセサリー
「最近、たるちゃんは?」というお客様の心配の声を反映して、

我が家の老愛猫をUpします。

マイクロファイバー上でぬくりんこ。
しかし、何分16年目の老体。
頭脳身体能力低下が著しく、
時に年齢を考えず、大暴れ、
疲れていびきをかいて寝る。
ガバッと夢から覚めたら、
「げッげッ」
キタロウではありません。
ひきつけを起こし、
心配を掛けるだけ掛けて、
落ち着いたら、また寝る。

そんな毎日です。



さて、
昨日の続きで、もう一つ。

オニキスとガーネット&瑠璃のゴムブレスです。

表裏一体、第六天と妙音観音

2012-11-18 | アクセサリー
父の仕事をたまぁに手伝う。
すると…、
「わぁい♪」
謝礼が頂ける。
それを見て、

母「ねぇ、私には?」
父「…は?」
父の善意ある行動は、母の嫉妬心を生む。
ただ、金に目がくらんでいるのでしょう。
さて、
私「お父さんはね、妻より、娘(仕事)の方が大切なんだよ」ふっふふんと、母を諭す。
そして、謝礼を見せびらかし、ゆっくりゆっくり袂に謝礼を入れて、くくっとほくそ笑む。
ムッと来た母「私と娘、どっちが大事なの?」と夫に詰め寄る。
醜い争いです。
私「それこそ愚問。娘(仕事)の方が大事に決まっておろうがッ!」
母「タダで、何年で支えてると思ってんのッ!」
今月14日、三十九周年アニバーサリーを迎えたばかりの夫婦です。
おめでと♪
ちなみに、アン・ファミーユのケーキでお祝いしました←元町のケーキ屋さんです。
それはいいとして、
私「考えてみよ」
父が定年退職を迎え、家に老愛猫タルトと、
ゴロッゴロ、ゴロッゴロと、一日中戯れる姿。
想像するだけで、見苦しい。
それにだ、
大体このご時世、定年退職後の頑固おやじを大事大事に使ってくれる会社様等どこにあろうか?
口ばかりの司令塔で動かぬ面倒なご隠居を引き取り、世のためではないが会社のために働いて頂きたいとわざわざ申し出てくれた有り難い会社様である。本当に涙が出たわ。
父には骨を埋める覚悟で死ぬまで働いてもらおうと、私、影ながら父を応援する所存。
しかし、
父「これ…」仕事を持って帰って来るおとん。もちろん、
私「断るッ」
なぜ、父の行を、娘の私が代わってこなさねばならぬ?
尻拭いなんてまっぴら御免。
「ヤだッ」
あくまでも、私、影。
パソコン操作方法と仕事の助言はささやくが、手と足は出さぬッ!
しかし、こういう第六天の優しいささやきも、
父「頼んちゃ、な♪」
茶目っ気たっぷりの父、ペコッと私に合掌して、
第六天を妙音観音菩薩に変化させてしまう。
ただの拝み倒しである。
こう拝まれたら、神や仏がほっといても、ほっとけないのが私。
ちら…と依頼原稿を見る。これがまた、
私「えらくいい加減な…」
見辛い原稿だった。
何もfaxが原因じゃない、原稿を書く依頼人の性格が顕著に出ている。
見辛い仕事をやり遂げたら、父が帰宅。
父「お」
Good Timing!
私「もっと見やすく書いて貰ってッ」とブーたれると、
父「見やすくしたいから、(お前に)頼むんだ」
私「…」
それも、そうだ…。
初めから見やすかったら、
製図の清書などいらぬ。私を通さずそのまま提出するさ…。


やれやれ…と、
仕事を一つ、やり遂げ、趣味に走る。

アメシストとガーネットの二連ゴムブレス。


高陵石(カオリナイト)というレアストーンとクリソコラのゴムブレス。


散華の如く~は?~

2012-11-17 | 散華の如く~天下出世の蝶~
水の張った鉢を沢に投げ捨て、私の手を取り、
“参るぞ。沢彦”
ぐいぐいと私の手を引っ張り、
「あの…吉法師様、いったいどちらへ?」
“変えに行く”
「は?」
ずぶ濡れの私を連れて行った場所は、
“そなたの寺は、今日よりここ”
「はぁ…」
口が、ぽ…っかり、開き、そこから間の抜けた吐息が漏れた。
なんとも立派な城で、分不相応にもほどがあると戸惑ったが、
“構わぬ”
同様に戸惑う門番を後目に、ドカドカの汚き身なりが入城し、
ずぶ濡れ坊主が城内を歩く。それを見て、姫君や女中たちが、
コソ…と噂をし始める。
うつけが、また、汚らわしい…。
おぞましきものを連れ帰って…。
等々、おそらくはそういった類の噂であろう。
純真無垢な子供の心に、斯様な辛辣な態度は、
さぞ痛かろうと握られた手を、く…と引くと、
“遠慮するでないぞ”
屈託ない笑顔を私に見せた。
幼き心が大人のそれを察し、
“遠慮しては、負ける”
尻込みする私に配慮するその心が、余りに不憫だった。
ではでは、私も遠慮のう砂やら泥やらで城をドカドカ、
汚して回り、着いた場所は大殿様の謁見の間、大広間。
「して、これより、何をして遊ばれるのですかな?」
“ふむ。これより、我に見方を変える、その法を説け”
「…は?」

散華の如く~そなた、このままか?~

2012-11-16 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「ご自分で変えるのです。自身の力で道を開き…」
バサッ、
立派な大番傘を沢に投げ捨て、天の恵みを受けた手を、
グッと拳を握り、ビシッと細い人差し指で私を差した。
“ならば、そなたは?”
偉そうに説法し、立派を言うて回る坊主の未来が、托鉢(乞食)か?
そう、吉法師様の目が、私の空っぽの心を貫きましてございます。
“天の恵みを受けるだけ、経を読むだけで、そなた、何が変わる?”
「…」
坊主が、子供に説教されましてございます。
あれほどの惨めはござません。この坊主…、
“このまま、托鉢か?”
私の嘘は、吉法師様に見抜かれていたのです。
変えられぬ出生、変わらぬ因果をどんなに恨んでも、
仕方無き事と甘んじる托鉢行。これは苦行ではなく、
ただの、生臭のなまくら行に過ぎぬ、吉法師様の目には映ったのでございましょう。
“このままでは、腐る。何とかせよ”
「腐るは…困りますな」
しかし、この無名坊主に何が出来よう。
ぽちゃ、ぽちゃと、
鉢の中に天の恵みだけが無駄に溜まり、冷たく空しい時間だけが過ぎていった。
“そなた、名は?”
「宗恩、と申します」
“そうおん…うるさい名だ。説教の名か?”
「はい。生まれ以て、寺に捨てられ、両親より賜った名はありませぬ」
“なら、名を与える。そなた、沢彦(たくげん・沢に立つ男)だ”
「たくげん…?」
“吉法師の礼だ”
ニコリと笑うは、少年らしい。どうやら、吉法師という名が、お気に召したよう…で、
「あッ!?」

散華の如く~吉法師様~

2012-11-15 | 散華の如く~天下出世の蝶~
“俺は肥えぬッ。あの坊主の様に、立派な腹などに成りたくないわッ”
「は…?」
“肥えた坊主が経を読み、何か変わったか?そなたは、経で、何を変えた?”
民を見よ、下々の暮らしは何も変わっておらぬ。
目の色がギラギラと変わるは金を持つ者ばかり。
金と徳がグルグルと回るは、上の者ばかり成り。
わらわら…、と傘の柄を持つ拳が、震えていた。
「法師様は…、大変、心の優しいお子にございますな」
城外の、下々の暮らしを見て学んでおいでだった。この世の、格差というものを…。
“俺は、うつけ(バカ)だッ”
天の恵みか、涙か…彼の炯眼は真っ赤であった。
「うつけ…とは、誰がそのような。斯様、賢きお子を…」
“城におる者は皆…そう呼ぶ。うつけ、うつけと…”
子供の発想にしては余りに突出。考え方の相違が、彼を浮き上がらる結果を招いていた。
「貴殿吉法師様は、人様より少し高き所に心を置いておりまする…故に、今は辛抱かと…」
“吉法師(きっぽうし)?”
「福男(吉という運を背負った男子)にございます。これより先、上に立たれる方と成って…」
“上には兄、下には弟…。母は、この兄より…弟が良いという”
「なんと…」嘆かわしき事かと思った。
母のそれから遠く、いじけて寂しい心に育っていた。
だが、勿体ない…。小さき体に、不釣り合いな賢さ。
上から下から、母から押し殺され、正に、生き地獄。
何とならないかと…思ったが、何が出来ようか…寺無し貧乏托鉢坊主に。
私は、ただただ、上に下に押し潰され行くこの若き心を哀れ見るだけで、
この若い未来、吉法師様を御救いする手立てが無かった。
法と経の無力さを、斯様にも小さき子供に教わりました。
「吉法師様…味方を変えなされ」
“見方…?”
「ご自分を理解する味方を作り、より良い、未来に変えるのでございます」
“見方を変える…には、どうすれば良い?”

散華の如く~そなた、寺は?~

2012-11-14 | 散華の如く~天下出世の蝶~
“城に上がる坊主は皆丸々と肥え、城からタダで米や衣、酒やらなにやら持って行く”
「それは、立派な寺の御坊様、故にございましょう」
“立派?でかい寺をさらに肥えさせて、面白いか?そなた、寺は?”
「私、修行中の身…故」
寺の大小、坊主の立派不釣り合いに突っかかって来る法師様で、
何か、坊主の有り様に大きな不満をお持ちの様子でした。
“この雨の中、天の恵みだけで過ごすは、立派な事ぞ”
大番傘を、ヒョイと横に除け、この坊主を睨んでおりました。
これまた、なかなかな炯眼(けいがん・洞察力)で驚きました。
「法師様より有り難いお言葉を頂き、嬉しく存じます」
私は、法師様と目線を合わせる様にしゃがみ込み、
法師様に雨が掛からぬよう、大番傘をお戻しした。
「坊主を相手にしておりますと…、風邪を召されますぞ」
“天からの恵みを、貰い受けておるッ”
傘を、ひらりと、再び払い除け、
“そなた、寺は何処か?そなたの説法が聞きたい”
「寺は供養。生きる坊主(修行中)に安寧あっても、安住はありませぬ」
“寺が無いのか?説法はどこで致す?”
「寺が無くとも、説法は、この口が、この声が、致しましょう」
“そなたの口、その声、いかほどだ?”
「口や声に金を詰めば、言葉に詰まりましょう」
折角の二眼が欲目という嫌らしき目に変り果て、
金の無心となり、人様への配慮を欠いてしまう。
仏心良心慈悲慈愛が欠ける…私は、それが怖い。
“あぁ、確かにな。城に来る坊主の目は、皆、こう…($$)…腐っておる”
「法師様、金は大事。腐らぬ様大事成され。心を良くも、悪くも、変えてしまう」
“ならば、良く、変われば良い。欲目とやらを、良き目に変えれば、良いのだな?”
「なんとも賢い法師様。将来、立派な方に成りましょうや」
“賢い…立派…”
私の言葉に反応を示し、眉間に、くっと、しわを寄せ、炯眼がさらに細く鋭く成りました。

散華の如く~坊主の嘘と、心~

2012-11-13 | 散華の如く~天下出世の蝶~
沢彦「この坊主を、沢彦と、名で呼ぶのは、若と帰蝶様、貴女だけにございます」
帰蝶「それは殿が、」そうお呼びしているから、つい私も…。
沢彦「若は、私を坊主としてではなく、一人の人間として、城に呼びましてございます」
帰蝶「殿が、沢彦様を、呼んだ?」
沢彦「この…沢彦(たくげん)とは、若に頂戴した名にございます」
帰蝶「へ…ぇ?」
沢彦「十六、七も前の話にございます。雨の中、托鉢をしておりました…」
帰蝶「托鉢…」
軒先に立ち経を唱えながら、施しを待ち、
また、一軒一軒回って米の施しを受ける。
托鉢は、御坊様の修行の一つではあるが、
入城を許されている御坊様が、そんな…。
沢彦「私は、若に、買われたのでございます」
今でも忘れない、
ぽつ、ぽつ、ザァ…。
若との出会いは、冷たい雨の降る日だった。
“おい、そこの乞食。そんな所では何も貰えぬぞ”
沢畔(たくはん。さわのほとり)で、托鉢していた私に声を掛けて来ました。
“しかも、雨。誰が、何を、恵んでくれよう”
「天からの恵みが雨。それに、法師(小さな男の子)様が坊主に御慈悲を掛けて下さいました」
年齢にそぐわぬ、立派過ぎるほどの大番傘を差した法師様の姿に、
一目で良い所のお出だと分かりました。
案の定、
“ここで物乞いより城に行け。何か恵んでくれよう。物が腐るほど溢れておる…”
「私は、恵まれた者と、ただで頂く者が嫌いにて、ここで…」
“死ぬぞ?”
「仏がこの身を欲しいと仰せなら、我ここで絶え、要らぬと仰せなら、我生かさん」
“神や仏が、そなたを乞食にしたのか?それとも、親か?”
「…いえ、」我が出生を神仏や親の因果には出来ないと、
「私は、好んで行をしております」と子供に嘘を付いた。