ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~殿の御意向、姫の思い~

2012-11-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
信輝がくれた、安産の駒守りが包まれていた。
落ちて、失くして、探しても無くて、
もう駄目だと諦めかけた。そんな時、
生駒「今度は落とさぬ様に、と…」
寄りによって、生駒の手から返させるなんて…。
帰蝶「あ…、そ…、すまぬな」
御守りを届けてくれた彼女に、
私は、辛く当たってしまった。
気分を害したであろう…「と」
襖の裏から、
女中「御持ち致しました」
女中が茶を運び、
話が寸断されて、
決まりが悪い…。
帰蝶「二人きりで話がしたい」
しばらく下がるように、女中に言い付け、やはり、
女中が遠のく足音に、じ…と、耳を澄ましていた。
生駒「いつも、そうなのですか?」
帰蝶「ふ…」返す言葉が無く、視線を下に、横を向いた。
突慳貪(つっけんどん)で横柄な態度と物の言いと無愛想。
人を寄せ付けぬ高飛車、高慢で憤慨しているのであろう。
分かっている。
今戦は、私が原因。
義兄…いや、長井の伯父から突き付けらえた交換条件。
私の美濃からの輿入れがなければ、今川戦は無かった。
なのに、
殿は、私の首を晒す事も、美濃に返す事も成さらない。
姫たちは当てる所、やり場無く、私を槍玉にしている。
知っている。聞こえている、私の噂。
私を正室に残す理由が分からぬ、と。


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