ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

忘却の、啓示

2012-02-21 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
神話…それは鏡、心の縮図。同時に、神のメッセージ(啓示)。
生贄…神の思し召しと称した、愚かで哀しい人間の浅知恵。
大蛇…異国の神にその座を追われ、記憶から忘却された神。
聖剣…それは諸刃。愚人の策略により、一人歩きした伝承。
“異国より出(いずる)神の子、天之剣を掲げ、国を守らん”
賢人たる聖徳太子は混乱した国内を治めようと、異国の政策を参考にしていた。
秦の始皇帝氏族 秦河勝を呼び、彼の助言により国造りに励んでいた。彼らの新政権は、今までのそれを根本から覆すものだった。民の救済に仏教の教えを広め、憲法改正と抜きん出た太子の才は多くの支持者を集める一方、ある一部の豪族や権力者からは厄介者となっていた。
愚人により、突出した賢人は排除され…そして、死。聖徳太子の名声と功績だけが歴史に残り、太子の親族縁者、妻子…幼子に至るまで根絶やしにされ、黒い事実は隠蔽される。
「歴史や神話は、人の手により、都合の良い様に作り変えられ、捻じ曲げられてしまう」
神の啓示は覆され、歴史の深部は除外視されるのが現実…その結果、
平家がッ!出てけッ!
ズキッ、また胸が軋んだ。大きく息を吸おうとすると、時おり、胸に激痛が走る。痛い…、
「それでも、天叢雲剣は必要ですか?そのために、生贄が要りますか?」
安徳天皇の手に持たされた天叢雲剣は、その小さき手には大き過ぎた。
私たちは、分かっていたはず…、なのに、
大蛇の生贄に賛同するしか術を持たない、歴史の傍観者に成り下がり、大人同士の醜い権力闘争に巻き込まれる7歳を誰も救えなかった。
いえ、救おうとはしなかった。
我欲(エゴ)のために、その幼くも清き魂は祖母である時子様と、聖剣と共に沈んだ。
泰平とは、幼い天帝の命を犠牲にするものなのでしょうか?
7歳で天帝に就くなど、最初から可笑しな話だわ。
甥っ子は、子供らしい事も許されず、周囲大人の仰せのまま、
“皆で、逝こう”
そう言って、祖母の懐で笑って、入水した。
結局、神話のように、神が地上に降り、生贄を救いに来るなど有りはしない。
「天叢雲剣を作り直し、再び、戦の火種になってはいけません」
繭子「じゃ、神は、いけないモノを象徴としたの?」


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