ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

八岐大蛇伝説~生贄~

2012-02-14 | 八岐大蛇伝説 ~治世の象徴 天叢雲剣~
遥か昔、混沌とした暗闇から一筋の閃光が走り、天と地が分かれた。天地の境に雲を引き、雲の上に国を造り、浮島に高天原(たかまがはら)という神の都を作った。
地には天を映す海と島を作り、水と風を通して生命を息づかせ、神の形代 人間を根付かせた。
人間は島で農作物を作り、海で漁し暮らした。
日の下で働き、日が暮れて一日終える。助け合う人間が群れを成し、村を造り、平穏無事な日々を送っていた。しかし、事件は、突然起きた。天地を照らす神が御隠れになった。
『天岩戸の神隠し』
日の女神 天照大神が岩戸に籠もり、天は闇に包まれ、世は混沌の渦に呑み込まれた。
天のみに限らず、地においても混沌が生まれ、地では長雨が続き、川は氾濫を繰り返した。
“こ…怖い。助けて…助けて、神様…”
多くの村人が水に呑まれ、実った農作物も押し流された。人々は住む土地を追われ、村は崩壊した。神の業に、人間は成す術なく、
“鎮まりますように、どうか、どうか…私たちを、お救い下さい”
再び、世が明るく照らされん事を祈るしかなかった。天の神々はこの祈りを受け、何とかして天照大神を岩戸から出て頂き、再び、天に光が戻るよう計らった。笑い絶えず、鈴が鳴り響く賑やかな宴を開き、天照様を御招きした。天に再び、天照様がお戻りに成り、
天照「地に落ちよ」と、事の発端である弟神 須佐之男(スサノオ)を高天原から追放した。
須佐之男は高天原から雲伝いに地に降り、異国の山の頂に着いた。そこで目にした光景は、実に恐ろしい地獄絵図だった。己の諸事が天に留まらず、地に大きな爪痕を残していたのだ。
須佐之男「ん…?どこからか、声が聞こえる…」
“お鎮まり下さい、大蛇(オロチ)様”
暴れ狂った川の神を鎮めるために、村人達は祈っていた。しかし、祈り空しく、川は濁流となり人を呑み込み、地を割き、山を切り崩し、暴れ続けた。
大蛇「は、腹がぁ…」
神の怒りを鎮めるには、
お前ぇンとこの娘っこ…水の巫女だったな。
え?
そうだ、巫女なら大蛇様の怒り、鎮められるはずだ。
み、巫女とは言え…普通の娘で、
生贄だ。生贄にして、鎮めよ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。