ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

話なんて、ないわ

2011-07-19 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
愛「ふんッ」クルッと背を向け、船の方に走って行った。
富樫「佐藤の、妹…?」とサブを睨んだ。
サブ「あ、あぁ…の、その」事情を説明しようと、あれこれ言葉を選んでいる内に、
「おーい、乗れッ!」先に船に乗り込む由利さんからお呼びが掛かり、説明が聞けなかった。
富樫「とにかく、戻ってから話を、」繭子…に、手を伸ばしたら、
パシッ、撥ね付け、繭子「話なんて、ないわ」と船に向かった。
森乃・熊世「ま、繭子さん?」を追い駆けて、
富樫が最後に、全員が何事もないように装い、船に乗り込んだ。
由利「土岐の奴、どうした?」
番人「円仁様と、すみかちゃんをお供に…観光案内すると、言っておられました」
由利「観光…案内…?」
番人「それが…」コッソ…と耳打ち、
由利「和田の巴…、義仲の側室が!?」
富樫「巴…」の名が耳に入り「マズいな」
サブ「狙いは、与一」、ロク「…だな」
由利「どういう事だ?」
富樫「五年前の粟津の合戦、義仲は与一の矢を受け、その後討ち取られ、巴の兄は自刃した」
由利「…仇討ちか。与一くんは、斯波と一緒だったな」
番人「え…」サァと顔色が変わって「…斯波さんに、相談するって…今、」
富樫「早く出せッ」
番人「は、はい!」急いで船を出した。
一方、月山頂上付近の小屋で、蕎麦を頂く前に神棚に手を合わせ、お供え物のます寿司を下げた。テーブルにます寿司を並べて、義隆が切り分け…、
義経「与一に教わったのか」
義隆「うん」
義経「ふぅ…ん」筋がいい。ただ、腰の位置が高い…。
ガッチャン「おし、頂きっ!」という号令で、皆で「頂きますッ!」
志津「なかなか、イケる」とパク付いた。
義経「いいのか?お供えモン、こんなに早く下げちまって」と先に、蕎麦に手を付けたら、
志津「稲荷の女神が食ってんだから、いいのさ」ニッと笑った。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。