ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

入道様の御意志

2012-06-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
小さな気の乱れで、茶の湯の気泡が乱れる。
心を鎮めるために、
す…と吸気を入れ、香を利いた。
茶頭とは、どれほどの胆の座った人物だったのだろう。
松殿「池田…私も、頼むよ」碗を戻した。
池田「はい」
和田殿の碗も下げて、三人分の茶を入れ直した。
…で、義経さん。何をお考えで?
「ただ、義父と、茶が飲みたくなっただけだ。何も考えてない」
では、その懐剣は?
「あぁ、これか。妻の懐剣…」
松殿の局…葵さんの?
「何かの時は、これを使えって渡したんだが、戻って来ちまった」
その懐剣を、どうなさるおつもりで?
「どうすっかなぁと思ってな」懐剣 吼丸(こんまる)を抜いた。
それ…、
俺の懐刀 袷丸(こうまる)を出して、抜いて見せた。
「(兄弟刀の)片割れ…お前が持っていたのか」
はい。主君 資盛から、平家を頼むと預かりました。
「そうか…」
カチャ…、剣を仕舞って「なら、あの大うつけから、目を放すなよ」
義経さん。あなたは、今、源氏ですか?平家ですか?
「どっちでもない…」
血は源氏でも、心は平家。だから、御方様を守って下さった。
「の、つもりでいただけだ」
そのおつもりのまま、これからも、御方様の兄として…
「危なっかしい。その形見、仕舞え」
…。袷丸(こうまる)を鞘に仕舞って、
義経さん。俺たちと共に、平家の、(清盛)入道様のご意志を継いで下さい。
「悪いが…戦える“俺”は、もういない…分かってるだろ」


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