ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~現在、過去、未来永劫の神~

2012-11-07 | 散華の如く~天下出世の蝶~
すらりすらり、
細く、しなやか、女性の腕を左右三本ずつ、六つ。
少年のような胴一体に二足、雲座にその身を乗せ、
さらりさらり、
妙音観音菩薩と天竺の黒羽の神 迦陵頻伽との間に、
釈迦、薬師の如来の守護神将 阿修羅天を完成させ、
コト…と、筆を置いた。
そして、
Bibleの中の、堕ちた神を均等に並べて、
沢彦「似ておりませぬか?」
墨絵の中の阿修羅と私を見比べた。
帰蝶「…私に、でございますか?」
阿修羅の三面は、私のそれ。
しなやかな体に、未熟な性。
見方によっては、
男性にも、女性にも見える。
少年にも、少女にも見える。
見方によっては、
救いの神にも、また、
その逆にも思える神。
沢彦「人間に、でございます。大変人間らしい、天の神だと、思えてなりませぬ」
帰蝶「人間らしい…」
見方によっては、
殿の、お若い時のような、
私の、現在の顔のような、
また、これから起きる悲劇に対する、それのようにも見える。
過去、現在、未来永劫普遍的に続く、それのようにも見える。
沢彦「人が苦しみ、もがくと同様に、神御仏も深く悩んでおられる」
帰蝶「悩む?神が?何を?」
沢彦「その者の持つ、命に」