ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

天の刻、地の利、人の和よ

2012-06-11 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義隆「アメ…」
斎藤「欲しんだろ?」
義隆「ゴク…」生唾を飲み込んだ。
意地を張っているが、本音は欲しい。
というより、
輪の中に入りテェと見た。
斎藤「ガキのクセに抑えちまって、」
ペロ…ッとわざと美味そぉうにアメを舐めて、
「これから、でっかい天の争奪戦だってのに…なぁ」
義隆「でっかいアメ」
池田「…」チラッと義経さんを見た。彼は黙って、事の成り行きを眺めていた。
義隆の資質を量っている。
無論、斎藤も探っている。
斎藤「己が利得んがため頭を使え。敵の懐、情に入り、甘い蜜を吸え」
義隆「り?何…それ、分かんない…」
“利”
池田「勝利の利。勝ち得た者のみが味わえる美酒…」
アメのツボを持って、
「満足感、充足感、達成感…そして、功利…勝利の功績、利益の味だ」
義隆「勝…」
池田「事を無し得ようとする時、好き嫌いの感情論で動くな。相手がもたらす利を考えろ」
義隆「利…」
斎藤「敵の手に落ちた天を、お前なら、どうする?」
人差し指で、天を指し示した。
義隆「天…」見上げた空は広く、青く澄んでいた。
義経「この広い天を動かしたい思わないか、義隆?」
義隆「動かす…」
“あなたは、天から与えられた“運”という可能性を試されているのです”
能(よ)り可(よ)しと成す
義経「天を、意のまま動かしてみたくないか?」