ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

仇だとしても…

2012-06-09 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
みんなして、楽しそうにアメを練って、
義隆「…先生、ひどいよ…分かんないよ」
どうして、斎藤なんかと。敵(かたき)なのに…。
池田「…」
斎藤「まだ、スネてたのか?」
義隆「父上まで、一緒になって…」
義経「ぺろ…と(・・)」
義隆「匠兄ちゃん殴ったヤツなのに、一緒にアメなんか舐めちゃってさッ」
義経「義隆…。父上だって、アメ舐めたいんだぞ」舐めさせろよ。
池田「子供に、そんな事言っても通用しませんよ」
義隆「何でだよッ、そいつは、敵だろ!」
義経「今は、味方だ」はぐっとアメを口に含んだ。
斎藤「…」
義隆「味方…?」
池田「俺と同様に、斯波さんの下に就いた」
義隆「え…?」
池田「子供のお前には理解し難いだろうが、大人の社会では虫の好かぬヤツと表面上だけでもにこやかに、嫌でも隠してお付き合いせねばならん
斎藤「おいおい、なんて言い草だ…」肩をすくめて…「昔の、相棒に」
義隆「昔…?」
池田「ツルんでいた」
義隆「先生と…?じゃ、なんで、匠兄ちゃん、殴ったッ!?」
斎藤「そん時は、敵だった。それだけだ」
義隆「敵…で、今、味方?分かんないよ」
池田「力有る者を敵に回すより、味方にする方がはるかに有利」
斎藤「蝮がとぐろを巻いて、機を伺ってるかもよ?」
義経「無論、謀反の疑いあり。厳戒態勢は敷いている」
斎藤「信用はしてねぇってか?」
池田「だが、こちら側に就いた方が、はるかに有利と考えている。だろ?」
斎藤「流石は元 相棒。御見通しか…」