ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

池田変わり蝶紋と織田木瓜紋

2011-06-10 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義隆「お稲荷(いなり)さんって狐様の耳…だから、狐?」
義経「確かに、お稲荷さんって狐って言われるが、それは、お供している奴で、ほんとは、お供の狐に乗ってる女神をいうんだ」
義隆「めがみ…、母上だったんだ…」ふぅと一瞬だけ、淋しそうな顔を見せた。
義経「そうだ」やっぱ、母上に会いたいよな…「金色の稲穂を風のように駆ける女神、子供に米食わす…母親だな」と、懐の[山吹柄の手鏡]に手を置き、ギュッと拳を作った。
志津「ふぅ…ん」と、目を細めて…義隆を見ていた。
そこへ、ポンと肩に手を置き、ヒョイと俺の大荷物を持ち上げた鞍馬「通過儀礼はまだ終っちゃいない。早いとこ…お母(おかみ)の頂き、拝んでこい」と降ろしてくれた。
義経「あぁ…」チラッと匠を見て「お前…通過儀礼、したのか?」と言ったら、
匠「あぁ。雄山でやったよ」と答えたから、養子に出されてから、通過儀礼か…?と思った。
ガッチャン「なら、お前は」と匠を指差し「刃研ぎで…」
匠「えッ?」
ガッチャン「んで、お前ッ」と海尊をぶっとい腕を見込んで、
海尊「俺?」人差し指で自分を指して、
ガッチャン「蕎麦挽き、手伝えッ」と命じられた。
義経「ま、いいか…」匠に聞きたいことがあったが、後回しにして「んじゃ、俺のも頼むわ」と愛刀『今剣(いまのつるぎ)』を匠に渡した。
匠「えぇー!!」と聞き分けのねぇ子供みたいに叫んで、“右手”を出し、刀の柄を握った。
義経「…。刃研ぐ時は、利き腕で頼むぞ」と匠の左肩をグッと掴んだ。その拍子に、
ひら…と、懐から赤いショールがしゅるり…と、
匠「あ…」パサッ…と床まで、滑り落ちた。
義経「兄貴と色違いのショールか?」と、

ひょいっとショールを拾ったら「えッ!?」
紅葉柄いわく付き…織田木瓜紋(もっこうもん)が、あしらわれていた。

義隆「あ!法被と同じ柄ッ!」と喜んでいたが、
鞍馬・弁慶「!?」こっちは尋常じゃなかった。
佐伯さん「おぬし、わしの縁者…か?その紋は…」
匠「あ、はっ」と笑って「出は吉備…だけど、10年前、佐伯の志鷹家に養子に入りましたぁ」
佐伯さん「ほぉ…ん?その家紋、佐伯(違い鷹の羽)の本家の家紋…じゃ、が?」
匠「そうですね」ここで誤魔化しは利かないなと観念して「母が、縁者です」と答えた。