ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

大地踏みしめて歩けよ

2011-06-01 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「それよりッ!」耳を引っ張って「いつまで、こうしてるつもり?」と話題を変えたら、
池田「テッ」耳を撫で、ゆっくり「仕方ないですね」と、身を起した。
能子「もうっ!人の膝、枕にしないでよ!」
池田「こうでもしないと、逃げるでしょう」
能子「逃げも隠れもしないわ!」
池田「心が、逃げてるんです、よっ」と、立ち上がった。
能子「え…?」ズキッ…
“能子ねぇちゃんって…時々、遠くへ行っちゃうね”義隆の言葉が、胸を射抜いた。
私、まだ…?
池田「さっ」と能子の腕を持ち「行きますよ」
能子「え…どこへ?」連行される、と腕に力を入れて、身構えたら、
池田「デート、です」
能子「へ?」と拍子抜け、顔の力も抜けて…アホ面になった。
池田「クッ」と笑って「そういう所…兄妹、そっくりですね」
そんなアホ面を下げた兄「ひぃひぃ」息が上がり「頂上まだかよ!」とブーたれていた。
悠々と歩く鹿角君に跨る志津「ったく、だらしないわね!!」と喝を入れた。
義経「大地踏みしめて歩いてねぇ奴に言われたかねぇよ!」と言い返したら、
義隆「…降りる」と言い出し「海尊ッ!」を呼んで、鹿角君から降ろしてもらって、自分の足で登り始めた。
義経「あ、の…な、義隆ぁ。別に、お前に言ったわけじゃ…ないんだぞ」と言い聞かせたが、
義隆「別にッ!」そっぽ向いて「父上みたいに、なりたくないだけッ!」と言い返された。
スタスタと歩く二次反抗期を迎える我が子 義隆との精神戦で、疲労困憊中の父 義経「う…ん」米神に手をやり「頭イテェ…」と精神的ストレスから来る変な頭痛に悩まされていた。
すると、モソモソッと大荷物から、弁慶「飲んどけっ」とドリンクを取ってくれた。
義経「ふぁあいとぉ…」蓋を開け「いっぱ~あ…つ」グイッと空を仰いで、ドリンクを飲み干したが、精神的な凹みから、そんなすぐに脱却出来ッか…よ。
鹿角君から高みの見物をしていた志津「…人間ってのは、厄介なもんだね」とヤケを起こし、先に行く義隆を見て「リボンを辿りながら行くんだよッ」と声を掛けた。
先に登頂した人が、山頂までの道筋(轍・わだち)にリボンの目印を草木に付いていて、それを辿って頂上を目指すのだが、義隆は返事もせず、登っていった…。スタスタスタ…ッと。