建築士だからわかる〇〇教えます

残したいと思えるお家を建てることが大切と思います。

日本のお家は約30年ほどで建て替えられてしまうというデータがあります。

これは戦後の住宅不足時に建てられた住宅が多いことも起因していると考えられます。
当時はとにかく住む場所を確保することが大切でした。
屋根があり、風雨がしのげるシェルターが必要でした。

ですので建築基準法で耐震がある程度確保され、省エネ法で温熱環境がある程度確保されたお家の寿命がどの程度になるのか?アメリカやイギリスのように100年近くになるのか?それは正直わかりません。日本人の平均寿命のように、日本のお家の平均寿命の推移をみる必要があると思います。

以前のblogでもお伝えさせていただきましたが、お家の寿命身は
【構造的な寿命】と【社会的な寿命】
があります。

構造的な寿命とは、物理的な寿命と言い換えてもよいと思います。構造材の破損・劣化、素材の劣化、素材の劣化による雨漏りの発生などなど。

社会的な寿命とは、生活様式の変化に対応できなくなったことが要因のひとつにあげられます。例えば、4人家族で生活していたお家が子どもが独立して夫婦2人暮らしとなり広すぎる家を建て替える、反対に親と同居が必要になり家を二世帯住宅に建て替える、子どもが生まれて手狭になった、などなど。

しかし一番大切なことは

『この家を残したいな、と思えること』

が大切と思います。

愛着が持てる家。そのためにはある程度の方向性があると考えます。

例えば、外壁や屋根などが劣化で汚れが目立ち、汚いなと思うようなお家は残したいとは思わないでしょう?

またお家の中も壁紙がはがれていたり、床にも剥がれがあったり、ぶかぶかと膨れ上がっていたりするお家。

答えは目の前にありますね。

歴史的な建造物や歴史的な喫茶店やホテルなど、雰囲気の良い場所を想像してみてください。

そうなんです。自然素材を使えば、床や壁などの劣化は反対にエージング効果により『味』になると思います。

外壁や屋根についても同じことが言えます。

ただ、屋根については一考が必要です。昔ながらの瓦屋根は私も好きな素材のひとつです。昔ながらのだるま瓦は一枚一枚表情も違いとても魅力的です。

しかし家全体的の見た目が和風に落ち着きやすい素材でもあります。また瓦の重みによる地震力はきちんと考えておく必要があります。
もちろんきちんと計算して対応すれば済む話ではありますが、地震の多い日本では注意しておくことが大切です。

自然素材の家、年月が経ってもそれが味になる家、私はコンビニや店舗なども自然素材でつくり、例え、廃業したとしてもこの建物は残して別な用途で使いたいと思える街並みが理想と思っています。しかし店舗などはどうしても初期費用を抑える必要があるため、なかなか難しい課題ではあります。

お家の建て替えを考える際は、ぜひ将来的に残したいと思える家にしましょう。きっとそのような家は相続対象にもなるのではないでしょうか?また例え売却するにしても「この家いいな」と思われれる家であればいろいろな用途に使われていくこととなるのではないでしょうか?

 

それは廃棄や土に還るという意味で地球環境にもよい家でしょう。また周辺環境にもよい影響を与えることでしょう。

ぜひ残したいな、と思えるお家を建てていきましょう。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

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ひと・すまい・くらし研究所

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