及川 均 Logbook

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ピントと被写界深度(Lesson 5)

2008年07月07日 | 写真のお勉強
今日はピントと被写界深度についてお勉強。


Lesson 5:ピントと被写界深度



まず、ピントとは画像が最もシャープに見えるところ。

ちなみに、これは「点」ではなくて「面」。点で合ってると思っている人がいるので注意。



さて、ピントとは切っても切り離せない問題に「被写界深度」がある。

被写界深度とは、ある距離にピントを合わせたとき、その前後の被写体もある範囲内はピントが合っているように見え、その範囲を被写界深度という。
ね。「被写界深度」を説明するのに「ピント」という言葉が2回も出てきちゃうくらい切り離せないのだ。

そして、この被写界深度は、絞り値、レンズの焦点距離、撮影距離などによって大きく変化する。


結論から言うと、被写界深度は・・・

①絞り値が小さいほど浅くなる。
②レンズの焦点距離が長いほど浅くなる。
③撮影距離が近いほど浅くなる。


この原理を知っていれば、ピントの合っていない部分、つまり「ボケ」をコントロールできるようになるってワケよ。
これができると写真が俄然面白くなってくる。


では、具体的に写真を使って理解しよう。

あ、その前にまだ絞りについて勉強してなかったけど、絞りとはレンズに入ってくる光の量を調整するための穴。
この穴の大きさを大きくすることを絞りを開けるといい、小さくすることを絞り込むなどと表現する。
そして、ややこしいのが絞りを開けると絞り値は数値が小さくなり、絞り込むと数値が大きくなる。
レンズと絞りについては本格的に勉強するとかなり難しいので、機会があったら、ゆっくり勉強することにして、一般的には35mm版カメラ用のレンズで、絞り値(F値ともいう)が2.8前後だとかなり穴の大きさが大きい、つまり開いている状態で、そこからF値を大きく、つまり絞り込んでいくと22とかの数値まで大きくなり、この時穴の大きさはとても小さくなっている。
ややこしいけど、これは絶対覚えなければならないこと。


さ、では写真で絞りと被写界深度の関係を見ていこう。

カメラはFUJIFILM FinePix S5Pro、レンズはマイクロニッコール105mm。
はい、ここで前回までのおさらい。このカメラはAPS-Cサイズの画像素子なので焦点距離は1.5倍になり、35mm換算値では約150mmのレンズになっている。


んで、露出モードは絞り優先オート(露出については改めて勉強するつもりなので、今回はあまり触れないことにする)で、絞りを2.8(このレンズではこれ以上数値を小さく、つまり穴の大きさを大きくできないので「開放」とも言う)にして撮影。
2つの魚の手前の方にピントを合わせて撮ってみた。




続いて、絞り値を16で撮影。



ね、絞り値(F値)が大きい方が被写界深度が深いので奥の魚まではっきり見えるでしょ。

ちなみに、写真の明るさ(露出)が同じに見えるのは、絞り優先オートで撮っているため、絞り値が大きくなったり小さくなったりして穴の大きさが変わっても、それにあったシャッタースピードをカメラが自動的に選んでくれるので、写真の明るさは変わらない。
ただし、絞り値を大きくすると、穴がとても小さくなり、入ってくる光の量が少なくなるのでカメラはシャッタスピードを遅くして明るく撮ろうとするためブレやすくなる。ので、私は三脚を使用してるよ。


でも、この写真、絞り2.8の方でも奥の魚もそれなりに魚っぽく写ってるよね?


って思うのは私だけ?・・・でもいいんだけど、被写界深に影響を及ぼす因子には撮影距離ってのもあったハズ。


なので、今度は同じカメラ・レンズでグッと近づいて撮ってみると・・・


絞り値16だとこんな感じ。




さらに2.8にすると・・・



もう回りはボケボケさ。
後ろの箱の文字も読めない始末。


ね、わざとボケを大きくしたいなら、絞り値を小さくするだけじゃなく、近づいて撮ることでさらにその効果が上がるってワケよ。



そして、ここでピントが「面」で合っていることを証明するために、全く同じ撮影状況でミナミハコフグ君に登場ねがった。



私はマニュアルフォーカスで、手前の魚の目にピントを合わせて撮っている。
カメラからの距離が、手前の魚と同じ位置にあれば(同じ面にいれば)どっちもハッキリ写るんだな、コレが。

そんなの当たり前じゃ~ん、と思われると思うけど、私もそう思う。
って、それじゃ話が終わるじゃん。

なんでこんなこと書いたかって言うと、オーフォトーカスでピント合わせをする人はフォーカスエリア(メーカーによって言い方は異なる)を右とか左とか自分で選んでその点でピントを合わせる機能が普通(フォーカスエリアは3個くらいの機種から50個以上自分で選べるのまである)なんだけど、その機能を活用している人は「点」でピントが合うと思っている人がいるんだな、コレが。

とても便利な機能なので私もオートフォーカス時は活用するんだけど、マニュアルフォーカス時には、そのフォーカスエリアが常に画面内にあるので、ピント合わせの邪魔になってイライラすることも・・・


さて、んじゃ、コンデジはどうなのよ?
って話ね。

コンデジも基本的な考え方は全く同じなんだけど、ちょっと違うのがレンズの焦点距離が著しく短いってこと。

では、また私のカメラを使って実験。

オリンパスのSP-350って機種。
レンズの焦点距離は

8.0mm~24mm(F2.8~4.9)
35mm換算値では38mm~114mm相当

となっている。
なので、このカメラの114mm側(ズームめいっぱい)で同じような実験をしてみた。


絞り開放の時。
ってのがクセもので、ズームをいっぱいにするとスペックにも書いてあるようにF4.9までしか使えない。(また難しい話になるけど、大幅にはしょって説明するとレンズを作るのが大変だから)



このカメラで最もボケさせようとしてもこの程度。
理由は、絞りを最大に開けてもF4.9までしか開けられないことと、実は、35mm換算値で114mm相当の画角、つまり望遠レンズで撮っているように思えるけど、実際のレンズは24mm、つまりワイドレンズで撮ってるってワケ。


ちなみにF8.0で撮ると・・・



なぜか暗くなっちゃった。
これは、こんだけ絞って適正な明るさで撮るには、シャッタースピードがカメラの制御範囲を超える遅さになってしまうためじゃないかと想像する。


さて、始めの方に書いたけど、被写界深度はレンズの焦点距離が長いほど浅い。つまり焦点距離が短いワイドレンズなら被写界深度は深くなりボケは少なくなるってこと。
コンデジは実はワイドレンズでその中央部分だけを拡大して、あたかも望遠レンズのような性能を持たせてるってことなので、被写界深度の浅い写真を撮るのには向いてないのだよ。
逆に言うと、被写界深度が深くて全体的にピントの合った写真を撮るのには向いているってこと。

コンデジでは、ボケを生かした写真を撮るのは難しいと言われているのはこんなからくりがあったのよ。
なので、私はコンデジの時にボケを意識した写真はあまり撮らない。
だって、できないんだもん。逆に被写界深度の深い写真を得意としてるんだからその性能を生かした方が良い写真が撮れるってこと。
でも、これは個人的に考えたことなので、間違ってる可能性もあるかもよ。



またまた長くなっちゃったけど、興味を持ってくれている人もいるようなので、たまには許してちょ。
なお、毎回のテーマは私が勝手に決めてるけど、もし取り上げてほしいテーマや詳しく勉強したいこと、なかなか理解できないことなど、みなさんからのリクエストがあればできるだけ取り上げてわかりやすく説明できるようにがんばるつもりなので、言ってみるだけは言ってみて。
あ、先に言っとくけど、私にもわからないことはたくさんあるからね。
そのつもりでよろしく。
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2 コメント

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Unknown (ashu_namy)
2008-07-09 09:12:54
いやぁ~ピントは点であうと思っていた一人です。
(namyのほうね、ashuはちゃんと理解してます。)
目からうろこ~

コンデジで撮っていたとき(F8で)、なんか暗く感じたのはそういうわけだったんですね。
今更ながら、理解・・・

私のハウジング(D80)は、絞りのダイヤルがカメラのダイヤルに上手くかまないみたいで、水中で絞りが変えられません

D80が2台あるのですが、もう1台でも同じです。
これってやっぱり、修理に出したほうがいいのかしら?
ウミウシだけ撮る分には、F値固定(今はF16で撮ってます。理由?なんとなくです^^;)でもかまわないんですが、
それじゃデジイチの価値半減・・・のような気がして

話が逸れましたが、どこぞが出しているムック本より、よくわかります。
これからも楽しみにしています。
1度、修行に行くかな・・
是非! (及川)
2008-07-10 17:12:17
>ashu_namyさん

毎度読んで&コメントいただき、ありがとうございます。
こんなコメントをいただけると頑張った甲斐もあります。
是非、これからもよろしくお願いしますね。

そして、修行にもいらしてください。
ま、私はウミウシ専門ではないですけどね・・・

ちなみに、D80の絞りダイヤルの件ですが、ハウジングに入れる時に、カメラの液晶保護プレートとファインダーのカバーを外していますか?
私は始めの頃つけたままセッティングしていてダイヤルが回らずメーカーに問い合わせたらその2点を外してセッティングしろと言われました。(説明書には書いてないのに)
それでもダメなら一度メーカーで見てもらった方がいいかもしれませんね。

それと絞りを16に固定している件ですが、小さなウミウシを最短撮影距離で撮る場合、私の勉強したところによると、最短撮影距離付近の場合、絞り値を変えても被写界深度はほとんど変わらないようです。(若干変わっているようには思えるのですが)
もし、それが真実なら、絞りはもう少し開けた方がいいのではないかと思います。

理由①絞ることによって、フラッシュを強く発光させなければならなくなり、影がキツくなる。(2灯にすることである程度カバーできますが)

理由②同上の理由でフラッシュのリサイクルタイムが長くなり、連写に向かなくなる。

理由③レンズの絞りは真ん中辺(8とか11とか)くらいがもっともシャープに撮れるように設計されているらしく、それ以上絞ると回折の問題でシャープネスが下がるらしい。

以上の理由により、私は最短付近での撮影の場合、絞りは8か11を多用しています。

が、やっぱり気持ちだけでも被写界深度を深くしたいとか、16の方が慣れていて露出の失敗が少ないなどあるかと思いますので、結局のところは自分のスタイルで撮るのが一番かと思います。

コメントまで長々となってしまい、申し訳ありません。

では、修行、お待ちしていますよ。ホントに。

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