ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

人口減少時代の大都市行政

2015-01-02 22:22:22 | 日記
11月19日、「人口減少時代の大都市行政」というテーマで久元市長の講演を聞く機会がありました。

日本の人口は、東京圏への転入が拡大し、東京圏ひとり勝ちの状況になっている。

しかし、東京圏の出生率は低く、いずれ人口減少になっていくだろう。

神戸市の出生率は1.28だが、中央区の出生率は1.05。

中央区は人口が増加しているが、それはタワーマンションが原因で、子育て世帯は少ないため。

神戸市の人口は、西区から中央区へ、北区から須磨区・兵庫区・中央区へ移動しており、かつ全市から灘区・東灘区へ移動している傾向がある。

さらには、明石などからの人口流入は止まっているが、芦屋や大阪などに流出している傾向がある。

そのような状況を踏まえ、
① 人口こそ都市の活力と考えて、あくまで人口増加を目指すのか、
② 人口減少を受け入れグレード・ブランドを再構築して、それにふさわしい都市像を求めるのか、
その選択が問われている。

他の都市と比べると、福岡・札幌はそれぞれ九州・北海道の中心地で周辺から人口を集めており状況は異なっている。

東京一極集中の是正を三空港一体の1つの役割とし、「神戸空港」をもっと活用すべき。

そのためにまず、関空・伊丹のコンセッション(事業運営権の売却)で円滑な譲渡を。

また、「都心の再生」が必要で、三宮駅周辺の再開発を行う。

大阪、西宮、姫路などが再整備をしており、客を取られる可能性がある。

歩くひとにやさしい空間づくりが課題。

次に、「公共交通」のあり方として、LRT・BRT・コミュニティバスなど新交通手段との適切な接合を考える必要がある。

来年度、公共交通を扱う専門部署を市役所内に設ける。

コミュニティバスなどは独立採算だけでは難しく、一部に公費投入も検討しなければならない。

さらには、魅力ある街並みややさしい街づくりを行い、都市空間のレベルを上げる必要がある。

まず来年度、市内の表示板・案内板を総点検する。

都市の活力・魅力・ダイナミズムは、さまざまなものが相互に関連・広がりを持ち、新しいものを生むところにある。

東京へ集積するのは、そこにいろいろな人や情報があり、リアルな都市があるから。

神戸もそのような都市づくりをしていきたい、

といったお話でした。

まだ、あくまで人口増加を目指すのか、人口減少を受け入れてそれにふさわしい都市像を求めるのか、決めかねている感じがしました。
当面の課題である、神戸空港や都市の再生、公共交通といった問題に取り組みながら見極めるということかもしれません。
福岡や札幌とは状況が異なるのであれば、グレード・ブランドを再構築しながらまちづくりを進めていくべきではないでしょうか。
再構築できれば、結果的に神戸の魅力が増し、住みたいと思う人が増え、人口増加につなげることができるのではないでしょうか。