5月15日、京都ノートルダム女子大学佐藤純准教授を招いて、精神に「障害」のある人とその家族への支援についての研修会がありました。
日本では、高齢者や失業、子育てなどについて家族が責任を持つべきという考え方が強く、家族は自分の人生のほとんどを障害のある本人のために費やしている、という現状がある。
また、日本の精神科医療は病床が多く、平均在院日数が長いので、日本人は精神に障害がある人と街で暮らす経験が少ない。
そのため、精神に障害のある人やその家族は、病気そのものよりも支援がないことや社会に理解がないことへの苦しみの方が大きい。
日本の現状では、
①本人の異変を感じてから精神科医にかかる(初診)まで平均約1年10ヶ月かかっている。その時には本人の混乱も大きいためケアする家族も大きな苦労と困難を経験しており、早期受診につながるさまざまな支援や介入が必要
②初診から病状の安定まで平均13年8ヶ月と、不安定な状態が長期にわたっている。その間、長期にわたって本人へのケアや見守りが必要で、特にこの時期に本人支援・家族支援が必要
③精神課通院しているが本人が通所サービスを利用しないケースが多く、その場合本人が家族とあまり一緒にいたくないように映って家族との会話も少なく、どうしてよいか途方にくれているケースが多い。
しかし、回復すればするほど支援メニューが用意されているが、初期段階は少なく、アウトリーチなどのサービスが必要。
十分な支援が本人や家族に届き、社会の理解がもっと進めば、本人も家族ももう少しニコニコと暮らすことができるかもしれない。
本人と家族を「ひとつの家族」とみて支援をする必要があるのではないか。
そして、最終的には本人も家族も一緒に暮らすか、別に暮らすかをあまり躊躇せずに選択できる社会の実現を目指すべき。
イギリスのバーミンガムでは、訪問支援を中心とした支援システムと高い家族支援技術(メリデン版訪問家族支援)などにより支援が行われている。
精神疾患の場合、外出や相談に行くのが難しいことが多く訪問による支援が必要という考えから、コミュニティ精神保健チーム・重い精神障害のある人の支援チーム・危機介入チームとチームを組み、担当エリア・役割を明確にして支援を行っている。
また、本人だけでなく家族もケアを必要なときがあり、家族全体を見渡して必要な支援も行われている。
メリデン版訪問家族支援は、コミュニケーションなどによる家族の問題解決機能を強めることが目的で、ケアに必要な知識や情報の共有・本人や家族間のコミュニケーションの練習・再発時への準備といったサービスが行われている、
といったお話でした。
「家族も含めた支援」は、日本ではこれまであまりなかった考え方ではないかと思いますが、必要な支援だと思います。
日本でも家族団体がメリデン版訪問家族支援の技術導入に向けた取り組みを進めています。
国や神戸市も家族支援の取り組みを進めていくべきだと思いますし、精神疾患だけでなく他の疾病患者等の家族支援も行っていくべきではないでしょうか。
日本では、高齢者や失業、子育てなどについて家族が責任を持つべきという考え方が強く、家族は自分の人生のほとんどを障害のある本人のために費やしている、という現状がある。
また、日本の精神科医療は病床が多く、平均在院日数が長いので、日本人は精神に障害がある人と街で暮らす経験が少ない。
そのため、精神に障害のある人やその家族は、病気そのものよりも支援がないことや社会に理解がないことへの苦しみの方が大きい。
日本の現状では、
①本人の異変を感じてから精神科医にかかる(初診)まで平均約1年10ヶ月かかっている。その時には本人の混乱も大きいためケアする家族も大きな苦労と困難を経験しており、早期受診につながるさまざまな支援や介入が必要
②初診から病状の安定まで平均13年8ヶ月と、不安定な状態が長期にわたっている。その間、長期にわたって本人へのケアや見守りが必要で、特にこの時期に本人支援・家族支援が必要
③精神課通院しているが本人が通所サービスを利用しないケースが多く、その場合本人が家族とあまり一緒にいたくないように映って家族との会話も少なく、どうしてよいか途方にくれているケースが多い。
しかし、回復すればするほど支援メニューが用意されているが、初期段階は少なく、アウトリーチなどのサービスが必要。
十分な支援が本人や家族に届き、社会の理解がもっと進めば、本人も家族ももう少しニコニコと暮らすことができるかもしれない。
本人と家族を「ひとつの家族」とみて支援をする必要があるのではないか。
そして、最終的には本人も家族も一緒に暮らすか、別に暮らすかをあまり躊躇せずに選択できる社会の実現を目指すべき。
イギリスのバーミンガムでは、訪問支援を中心とした支援システムと高い家族支援技術(メリデン版訪問家族支援)などにより支援が行われている。
精神疾患の場合、外出や相談に行くのが難しいことが多く訪問による支援が必要という考えから、コミュニティ精神保健チーム・重い精神障害のある人の支援チーム・危機介入チームとチームを組み、担当エリア・役割を明確にして支援を行っている。
また、本人だけでなく家族もケアを必要なときがあり、家族全体を見渡して必要な支援も行われている。
メリデン版訪問家族支援は、コミュニケーションなどによる家族の問題解決機能を強めることが目的で、ケアに必要な知識や情報の共有・本人や家族間のコミュニケーションの練習・再発時への準備といったサービスが行われている、
といったお話でした。
「家族も含めた支援」は、日本ではこれまであまりなかった考え方ではないかと思いますが、必要な支援だと思います。
日本でも家族団体がメリデン版訪問家族支援の技術導入に向けた取り組みを進めています。
国や神戸市も家族支援の取り組みを進めていくべきだと思いますし、精神疾患だけでなく他の疾病患者等の家族支援も行っていくべきではないでしょうか。