ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

海外視察@カンボジア その1

2013-07-11 21:41:06 | 日記
12月20日はカンボジアへ移動。

まず、神戸市長田区に本社がある有限会社ラガーコーポレーションの現地法人「タイガーウイング」を訪問し、お話をお伺いしました。

「タイガーウイング」は婦人用カジュアル革靴を製造している会社で、平成17年の中国・広東の現地法人に続き平成20年5月に設立。

主に日本の百貨店や量販店向けのものを年間約25万足生産している。
製品はOEM生産で、すべて有限会社ラガーコーポレーションに売却し、有限会社ラガーコーポレーションが日本国内で卸している。
輸出の際かつては神戸港を利用していたが、現在は東京港を利用している。
現在は、ヨーロッパ向けのものも商談を進めている。

従業員は、日本人6名、中国人12名、ベトナム人1名、カンボジア人708名。
カンボジア人従業員のうち30数名が管理職で、班長・副組長・組長という役職区分がある。
カンボジアは非関税で輸出できるメリットがあるが、教育水準が低く、その分賃金が低いとはいえ、中国の7割程度の生産しかできない。
 
縫製・製靴で最低賃金が定められており、諸手当を含めると81ドル/月。
労働組合も組織されており、タイガーウイング社内には2組合があり、国内にはナショナルセンターが6団体ある。
勤務時間は午前7時~午後4時で、休憩時間は午前11時30分~午後0時30分。
午後8時まで残業があることがあり、その場合午後5時~午後5時20分を休憩時間としている。
周辺の日系企業などとも情報交換しながら、待遇改善を行っており、これまでは大きな労働争議に発展したことはない。
カンボジア人ワーカーは、約6割は工場近隣から採用し、約4割は地方から採用している。

工場はプノンペン経済特区内にあるが、特区内に発電所があり電気代は日本と同程度で高いものの、電力供給は安定している(停電は月1時間程度)。
また、プノンペン経済特区は、タイからの陸路、中国からの陸路などフレキシブルな物流ルートが使える、工場内で通関手続きができる、特区内に労働局など行政機関がワンストップサービスを行っているなど、とても便利である、

といったお話でした。

お話をお伺いした工場長の方はミャンマーで事業をしていた経験があり、その経験も生かして工場作業員の福利厚生面に配慮した経営がなされていました。
利益追求だけでない「人」を大事にする日本の企業は、韓国や中国といった他国の企業と比べて人気があり、働きたい人が多いそうです。
そのような経営手法は、現地で長く成功するための要素のひとつかもしれません。

参考:有限会社ラガーコーポレーション ホームページ http://lgr.co.jp/

工場内の様子