本と映画の日々  そして、ゆめのつづき

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「クラッシュ」 アメリカ人とはいったい何なんだ?

2006年03月30日 | 洋画


「クラッシュ」


アカデミー賞作品賞の予想が外れてしまった。
80%は、「ブロークバック・マウンテン」だと思っていた。

友人からアカデミー賞トトカルチョの応募用紙をメールで貰っていたのを、
つい開けそびれていたのは、不幸中の幸いか・・・。


78回アカデミー賞 三部門受賞「クラッシュ」
◆作品賞:
◆脚本賞:ボビー・モレスコ、ポール・ハギス
◆編集賞受賞:ヒューズ・ウィンボーン

よく出来た群集劇だ。
作品賞にふさわしい映画だ。
出演者の名前をすべて丁寧に書き残したいくらい、
それぞれの俳優が素晴らしかった。

出演 
ブレンダン・フレイザー、(地方検事のリック)
サンドラ・ブロック、(リックの妻 ジーン)

ドン・チードル、(LAPDの黒人刑事グラハム)
ジェニファー・エスポジト、(グレアムの同僚で恋人、スペイン系のリア、)

マット・ディロン、(白人警官のライアン)
ライアン・フィリップ、(ライアンの同僚、ハンセン巡査)

テレンス・ハワード、(TVディレクターのキャメロン)
サンディ・ニュートン、(キャメロンの妻 クリスティン)

クリス・”リュダクリス”・ブリッジス、(アンソニー 白人を敵視する。 )
        ”リュダクリス”は、カリスマ・ラッパー。

ラレンツ・テイト、(ピーター)他

初監督 ポール・ハギスは、
前回アカデミー賞作品賞「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家だ。
本当はそれで、監督デビューをするつもりでいたらしい。
クリント・イーストウッドが、ぜひ、監督をしたいというので、
彼ならばと、監督をお願いしたとのことだ。

2月上旬号 キネ旬で、監督インタビューが載っていた。
ポール・ハギスの持論と銘打って、

“相手を知らないことが人に恐怖心を抱かせる。
そしてそれらが、差別や不寛容に繋がる。

現代都市でも、LAはとりわけ極端な車社会で、
人と人との接触がより疎遠になる。

そんな人たちが ひとたび出会えば、それは触れ合いではなく
ぶつかり合(クラッシュ)になり、火花も散る。
アメリカに住んでいればみんなアメリカ人なんだ。
僕はアメリカ人として、アメリカ人とはいったい何なんだ?
って問いかける必要があると思っていた。
それがまさに僕がこの映画を撮った大きな理由なんだ。”

極端な車社会が、
人々の疎外感を生んでいるのは、事実だと思う。
私も以前は車通勤をしていたが、家を出て、職場まで
誰にも会わないというのは、
なにか淋しいものがあった。
いまは電車通勤で人にもみくちゃにされているが、
いまのほうが楽しいし、本も読める。

マット・ディロン 曰く、
「ぼくは、N.Y出身だ。
L.A.は広くて、それぞれの人種が別々に暮らしている街
いざ差別問題に直面すると、慣れていないせいか、
問題が大きくなってしまう。
N.Yは、人種のるつぼで、まちがいなく世界一差別のない街だと思う。
差別問題に直面しては、解決を努力している街だと思う。」

私もL.A.に、旅行に行ったことがあるが、街が広い。
ロス在住の友人は、在米2年ぐらいだったが、
日本人が多い地区に住んでいるせいか、
英語がいまでも、片言しか、しゃべれないといっていた。

完全に街が色分けをされていた。
ダウンタウンは、黒人だらけで、昼でも危ないから近づかないように、
とガイドが強く言っていた。
今思うと人種差別発言だと思う。
だから観光客は、黒人を見たら避けるようになる。

P.S
その他の、素晴らしい出演者たち!追加

マイケル・ぺニャ、(ダニエル 鍵の修理人)
ノナ・ゲイ、(カレン)マービン・ゲイの娘

ショーン・ドーブ、(ペルシャ人の雑貨店経営者ファハド)
バハー・スメーク、(その娘 ドリ)

ウィリアム・フィットナー、(フラナガン)

P.S追加
ポール・ハギスは、次回は
8月公開 クリント・イーストウッド監督作品「父親たちの星条旗」の
脚本を担当する。
第二次世界大戦で最も悲劇的とされる硫黄島の激戦をアメリカ側から描いた作品。

そして、12月公開「硫黄島からの手紙」
こちらは、日本側から描いた作品。



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