喜♪きりん

人が苦手なのに何故か販売員をしてる人の日々あれこれ

カネ恋シナリオの感想(ネタバレあり)

2020-10-30 16:57:22 | ある役者の喪失(20207月19日~2021年7月19日)
天外者のムービーチケット惨敗しました。30分かけて電車で行ったのに何でや。
完売のシールがチケットボードになかったからむしろ売れてないのかと心配になったのに「売り切れです」の返答に動転して出口を間違えて係員に止められたところまでが今日のハイライトね。

あーショック、妹にラインしたら「メルカリで買いな」との返事だった。絶対買わない。(意固地)

さて本題はここから(シナリオ本ネタバレあり)

カネ恋への誹謗中傷にとうとうテレビ局まで動いたみたいで相当な問題になってるけど・・いじめ説を訴える人達は隅から隅までシナリオ本を読んだ方がいい。
面白くて可愛くて登場人物全員の愛が詰まってるよ。それでも脚本はいいのに演出は・・とかブーブーいうでしょ。

巻末にある小道具の写真を見て欲しい。

あのページで私泣いたもの、あーこれを使う玲子さんと慶太君みたかったなあって。綺麗で可愛くてモチーフはほっこりしてて愛情たっぷりの物。何でスタッフが最後にこの写真を載せたのか考えると泣かずにはいられない。慶太と玲子さんのハッピーエンドを映像で見たかったのはスタッフも同じなんだって思った。

本当の4話は存在していないのに台詞を読むと彼らの表情が浮かぶし、あーこんな仕草かなあって容易に想像できたのはキャストさん達が自分たちの役を愛し、しっかりかみ砕いてくれたから出来た。もちろん慶太もね。だから5話以降もすんなり読み進めた。

この場面はこのBGMで、あ、ここから主題歌が流れるな―このシーンは慶太はお茶らけてるなー、早乙女さんはプライドを捨てて頑張るな―、愛おしい彼らが私の脳内で笑って怒って泣いて喜んで、動いている、それは幸せな時間だった。良き良き。

彼らにはどこかでほころびあって、そこをお互い繕って行く成長物語ではあったけど、会社の不正とかちゃんと現代の社会問題も取り入れていた。風刺まではいかないけど考えさせられる場面はあった。結果的にいろんなものを失ったけどキンキーブーツの6つの教えの一つ「真実を追求すること」をある人物が実践する。これを春馬君の事務所責任への追及と捉えた人がいたけど全然違うと思う。カネ恋はハッピーエンドで後者はアンハッピー、そう、誰も幸せにならないし前へは進めない。真実を求めて不幸になってはいけない、カネ恋はそれを教えてくれた。

一つ気が付いたことがある。

拡散されている春馬君の放映された4話のワンシーンについてだ。

3話が終わった後で4話の予告が流れた時、彼のシーンが一個だけあった。
濃い水色のパジャマを着て手前に猿彦がいるシーンだ。

実は私は4話を見ていない。(どうしても見られなかった)
なので情報ありきなのだが、もし4話の彼の出番が疑問視されている例のシーンのみだったら予告のシーンは無くなっている。

春馬君は4話の途中まで撮影済だったとどこかで見たが、予告のシーンは何故なくなったのか疑問に思った。

シナリオの本当の4話ではキス事件の後、「よく眠れなかった」慶太が声で起こされるシーンが書いてある。簡素なものなので自分の想像に過ぎないがここにあの予告のシーンがピッタリ来るのだ。ちょっと寝ぼけまなこで起き上がる直前みたいな感じ、そう考えるとあの苦しんだようなシーンはあまり当てはまらない。視聴者が戸惑うのも分かる。じゃあやっぱり本当に苦しんでいてあれは演技じゃない?いや絶対にそれはない。

ネタバレになるが、4話で玲子と慶太が彼女の父に会いに行き、だんだん慶太は玲子に好意を持ち、告白しようとする、ところがここで玲子が逆プロポーズをするのだ。その発言に慶太は恐怖を感じて言うセリフがこれだ。

「いや、怖い怖い」

慶太は自由奔放で縛られるのも決められるのも大嫌い。5話でそういうのが何よりも怖いという発言がある。で、今本が手元にないので確認できないが、彼が夜中にトイレに起きた時に玲子のある面面を見て怖くなるというシーンがあった。5話の慶太は夜中のシーンが二か所、パジャマの違いからいって(金持ちだから何着もあるはず)4話で苦しんでた彼のシーンは5話だったんじゃないかなと予想した。うなされて起きたら玲子を見てさらに恐怖に震えるという演出だったとしたら5話の展開にピッタリ合うし、あの撮り直された4話にはマッチしないのもうなずける。4話では彼は彼女を怖がっていないからだ。

じゃあ、だったら最初から予告のシーンを使っておけば騒ぎにならなかったはず、私だってそう思う。自分でキスしたことに疑問を持って眠りの浅かった慶太の描写(本当の4話)の後、出掛けても違和感がない。

それでもあの仰向けのシーンを使った理由。私なりの答え

あれが三浦春馬の生前最後の演技だったから。

ドラマのスケジュールによって撮影する順番が変わる。先に台本が完成してれば尚更だ。しかもコロナがあって相当大変だったと思う。

外ロケは日が決まっていて一日がかりだが、スタジオでは何話分も先に撮るのは素人でも知っている。メイキングとか見ると分かる。

玲子の家の中はは恐らくスタジオ撮影だろうからまとめ撮りが出来たはず、南さんのエッセイによれば17日の撮影の最期は慶太一人のシーンだったという。ならば5話(だと予想する)のあのシーンと考えても不思議ではない。

もしかすると17日に彼のシーンはは5話以降も何か所か撮影済だったのかもしれない。その中で唯一撮り直した4話に使えたのがあのシーンだったのではと思う。そう思うと差し替えたスタッフに彼への思いを感じる。こう考えるとガス何とかで怒るのは馬鹿げてる。

スタッフだって人間だから彼の最期の行動には悲しみつつも困惑しただろう、怒りも多少はあったと思う。だけどお蔵入りにせず、やり遂げた、彼を亡き者として扱わなかった。シナリオの中で慶太は生きていて成長していたし三浦春馬の演技も生きていた。悲しい結末にせず、5話へ続くドラマへと昇華させた。本当に英断だっと思う。感謝してもしきれない。

彼の未完に終わった仕事場という大変な場所に立ち会ってそれでもそれスタッフキャストが一丸となって完成させた。そこには愛しかないではないか。

私はお花畑かもしれない、甘っちょろいとも思う。
でも、同じ考えるのなら怒りをぶつけることを考えるより、楽しい事を考えたい。彼は可哀想な人じゃない、愛に囲まれていたんだとそう信じてるし、道を違えた現実の悲しみはファンだけじゃなく彼を愛したすべての人達が背負って生きているんだと思う。

彼の魂が健やかであることを誰もが願ってやまない。

私は未だ泣いてるけれど、少しずつ前に進んでいる。


追記

予告動画を見たら春馬君のワンシーンは例の布団の中のシーンになっていた。どうやら私の見た濃い青色のパジャマの彼は4話公開前のニュースサイトの記事だったみたい。でもそこでは4話のストーリーが載っていてやっぱり内容的にこちらのセルリアンブルー?のパジャマの彼の方が合うんだよな。

2021 2/12追記訂正

あの4話の出演シーンは2話の未公開部分を使ったのではないかとの呟きがあった。あの衣装がパジャマではなく2話の時の私服と同じだからだそう。なるほど~皆さんしっかり見てる。私の目は節穴だったみたい。申し訳ありませんでした。

となるとあの濃い水色のパジャマのシーンはやはりお蔵入りになったのか?それとも特典映像に入るのか?いやでももしあのシーンが春馬君が一人残って撮ったのだとしたら…見るのは辛すぎるよね現実を突きつけられる。クランクアップの映像で泣いたのに耐えられるかな。

追記(2022年5月現在)

まさかあのシーンがデマデモの象徴に使われるなんて悪夢としか言いようがないし、T氏はじめデモ隊は彼を役者としてこれっぽっちもリスペクトしていないのだと悲しくなった。でももういい、彼はすごい役者だと自分が分かっていればそれでいい。
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