7月17日野茂英雄投手が現役引退を表明しました。
私は野茂投手の大ファンでした。他のスポーツも含めて最も好きなスポーツ選手はと人に問われれば、いつも『野茂英雄』と即答していました(ちなみに写真は私のマイグローブ!もちろん野茂モデルです)。
ついに来るべき時が来たのか、と今は寂しさで胸がいっぱいです。
両腕をぐんと掲げ、ぐっと胸を張り、背番号が打者にはっきり見えるまで上半身を捻る独特のフォームから力強く黙々と投げ続けるスタイル。
ポーカーフェイスを崩さず淡々としたマウンド捌き。
直球とフォークだけの真っ向勝負。コントロールが悪く三振か四球という白黒ハッキリした投手でした。
日本球界を騒然とさせたメジャー移籍とその後の活躍。その影で多くの関係者が彼に対して変節を繰り返したようですが、テレビのインタビューで『そんな奴らを決して忘れない』と堂々と言い放った野茂。
MLBオールスターに初選出され、『HIDEO~NOMO~!』のアナウンスでベンチからちょっと不恰好な駆け足で、でも最高の笑顔で入場した彼をテレビで観ていたときの興奮は今でも憶えています。
野茂のフォークにきりきり舞いさせられたあるメジャーの強打者は、試合後のインタビューで『No more NOMO~』とさぶいコメントもしていました。
ノーヒットノーランを達成した瞬間も『よし!』と小さく控えめなガッツポーズ一つ。
野球を続けたいアマチュアのための受け皿としてと『NOMOベースボールクラブ』を起ち上げたとき、雑誌のインタビューで『ダメ人間だった僕を育ててくれたのは社会人野球でした。』と彼は答えていました。どんな名声を得ても自分と自分の原点を見失わない人でした。
『投手は常にマウンドでは堂々としていなくてはいけない。打たれることは恥ずかしいことではない。だが逃げることは何よりも恥ずべきこと。』と彼は少年野球の子供達に教えたそうです。
近鉄一年目の年に彼は『華のあるうちに引退する選手もいるけど、僕はボロボロになるまで投げ続けると決めました。』と言い、本当にその言葉通りに彼はボロボロになるまで投げ続けました。
引退に際して彼は『悔いが残る』と言ったそうです。実に彼らしい正直な言葉が胸を打ちました。『お客さんに見せられるパフォーマンスは出せなくなった。』ともコメントしていました。それは彼が日本でプレーしていた頃から常々意識していて、若い頃、決して野球エリートではなかった彼はプロとはそうあるべきと強く思っていたようです。
彼が引退すると言ったのだからもう現役復帰はしないでしょう。日本球界への復帰は当然無いと思います。でもきっとどこかで野球は続けるのだと思います。何故なら野茂英雄は最高のプロ野球選手であると同時に永遠の野球少年でもあったからです。本当にオンリーワンの選手でした。もう彼のような選手は二度と現れないことでしょう。
野茂投手、お疲れ様でした。
NOMOベースボールクラブのHP→http://www.nomo-baseball.jp/