ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

“サマーフランネル”のスーツ

2010-04-29 04:00:00 | 白井さん


 今日のスーツは目にも鮮やかな“ナポリブルー”のスーツ。チェーザレ・アットリーニ(伊)の1991年モデル。信濃屋さんのHP『洗練された男が際立つコーディネート術』でも白井さんがこのスーツをお召しになっています。『もうそろそろ20年かぁ~』と白井さんも当時を思い出されてか思わず感慨深げでしたが、私にはそれだけの年数が経過しているとは到底信じられないほど、全く“古び”を感じさせない極上の一着でした。

  

   

 スーツの青の美しさに触発された私は、白井さんに屋外での撮影をお願いしました。白井さんも快諾してくださり、今日は信濃屋馬車道店さんの玄関脇での撮影です。この日は薄曇りの空でしたが、それでもやはり屋内とは写りが違いますね。レンズにたくさんの光を吸収して、私の愛機『ペンタックスK10D』のオートフォーカス機能も心なしかいつもより元気な様子でした。『いやぁ~カメラが喜んでます!』と私が口走った訳の分からない台詞を聞いて白井さんは笑っていました(笑)。

  

 『(生地が)薄くて軽いからこの時期に丁度良いんだよね、着てみなよ!』

 白井さんはそう仰って私に上着を預けてくださいました。しかし、折角の貴重な経験なのに『本当だぁ~軽~いですね~!』と白井さんが仰った言葉を繰り返す程度の感想しか言えない始末。まさに“○○に真珠”、“私にアットリーニ”といったところか(汗)。でもこういう貴重な経験って、その時はボォ~としちゃうんですけど、実は意外と後々までちゃんと体が憶えているものなんですよね(笑)。

 因みに今日のタイトル“サマーフランネル”は白井さんから特に指定された訳ではなく、白井さんがお話の中で『(ルチアーノ)バルベラなんかは“サマーフランネル”なんて言ってるよ。』と仰っていたので、敢えて今日のタイトルに使わせていただきました。

   

 この日、同席させていただいたお客様が、私から見ればこの方ももの凄くお洒落な方なのですが、白井さんがお帰りになった後『完璧な着こなしだった・・・。』と呟かれていました。信濃屋顧客列伝中のお一人として長年白井さんの着こなしをご覧になられているお客様ですので何気ない一言にも重みがあります。また以前よりこのブログをご覧頂いており、最近の白井さんの着こなしが以前に比べて更に“クラシック”になってきている、と感じられているそうです。私などは何を口に出すのも憚られるほどで、唯々“カッコ良かった”としか言えないのが我ながら情けない限りです(涙)。

   

 靴は白井さんが大塚製靴に特注したキャップトウ。いつもお馴染み天神山Iさんのブログにこの靴についての記述があり、一読以来約2年、長く私の頭の中だけに存在していた靴だったのですが、この日やっと本物を拝見することができ感慨も一入でした。ピッカピカのトウキャップと白井流ホワイトステッチが印象的です。

 

 この日は信濃屋さんにストックしてある、チャーチ、チェスターバリー、ブルックスブラザース、Jプレスなどの古いカタログを眺めつつ静かに服飾談義が交わされた午後でした。そういえば白井さんがロンドンの街並み、名店の数々を思い出されながら『イギリスにはイタリアとはまた違った良さがあるね。ロンドンにはまだ良い店があるし。そういう店ほど中は薄暗くって窓枠なんか埃かぶっちゃってるんだけど(笑)。ロンドンはまた行きたいなぁ~。』と仰っていました。写真は60年代のチャーチのイラストのカタログを眺める白井さん。

 最後に前回訂正を。

 白井さんがお持ちになっていた傘は信濃屋オリジナルの傘ではありません(汗)。以前ご紹介した桜の握りでシルク張りの“小島さんの特注傘”です。不正確な表記をしてしまいましたことをお詫びいたします。