この日の白井さんは重要な打ち合わせと、その後に急用が生じられた為、今回の撮影&お話を伺う時間は限られたものになりました。
今回のようなハッキリと“間モノ”といえるスーツは初登場だと思います。生地はバーズアイ(Bird's eye)。いつもお馴染み天神山のIさんから“間モノとして活用される伝統的な柄”と聞いていましたが本物を見るのは今回が初めてでした。大人の男が着るにふさわしい落ち着いた雰囲気の極めてクラシックなスーツ、という印象でした。
スーツの印象に反して、小物の色使いや靴の選び方にささやかな、そして絶妙なバランスの遊び心を感じます。でも靴紐は、オリジナルが古くなってしまい急場凌ぎで替えただけ、ということなのであまり気に入られていないとのこと(笑)。
この日は一日雨模様でしたのでお帰りは、バーベリーのレインコート“Rider”にボルサリーノ、傘は信濃屋オリジナルのシルク張りです。
私はこのブログの撮影の全てを白井さんのお仕事中にさせて頂いているので、今回のようなケースは当然起り得るものと当初より覚悟はしていましたが、それでも白井さんは私を気遣ってくださりギリギリまでお時間を割いてくださいました。本当に身に余る光栄です。また翻って考えると、普段白井さんからじっくりお話を伺えることが如何に贅沢なことかということに気付かされます。
そして、更にもっと突っ込んで考えると、白井さんからお話を伺わなければ私がお伝えできることはほぼ皆無に等しいという事実が浮かび上がってきます。
実はこの日、白井さんからは『もうそろそろ何処其処のメーカーだとか、そういうのは卒業しないとね。』という言葉をいただきました。もちろん私とこのブログが進むべき新たな段階への示唆も含まれていると思います。私も以前から、このブログ・・・このままで良いのかな?・・・という想いが密かにあったので、今後は新たな方向性を模索しながらタイトル“白井さん”に相応しい“洗練”を目指して、撮影とブログ作製に臨みたいと思います。