うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

ふたご座流星群....(11337)

2011年12月02日 21時01分21秒 | うべプラネタリアン
流星群の流れ星は、彗星がまき散らした砂粒や氷粒のダスト=チリといわれている。
だから流星群の時期や輻射点、流れ星の流れ方などつぶさに検証すれば、ダストの軌道がわかり、
その軌道と、かって太陽の近くにやってきた彗星の軌道を重ねれば、
チリを置き去りにしてダストチューブをつくった張本人の彗星がわかってくる。
それを母彗星と言うが、しし座流星群は33年周期のテンペルタットル彗星が母彗星であり、
ペルセウス座流星群はスイフトタツチル彗星である。
ところが、ふたご座流星群には母彗星が見あたらなかった。
永らく謎の流星群と呼ばれていたが、30年前1983年、一つの小惑星が発見された。
その小惑星は「ファエトン」と名付けられた。
ファエトンは太陽神アポロンの息子。いたずら半分に太陽の馬車を引っ張り出したが、
御しきれず、太陽を乗せた馬車は大暴走。やむなく、神の矢でファエトンを打ち落としてしまう。
ファエトンは天空高くから真っ逆さまにエリダヌス河に転落し死亡する。
ファエトンは悲劇の神話の幼い主人公だが、小惑星の“ファエトン”の軌道を調べたところ、
ふたご座流星群のダストチューブと重なることがわかった。
そこで初めて小惑星“ファエトン”はかって彗星だったが、揮発成分が失われた
中心核であると考えられるに至った。
その後このような異質の小惑星(あるいは尾を失った彗星)は結構見つかって、
「枯渇彗星核(こかつすいせいかく)」などと直截な言い方で呼ばれている。
こんな話題も提供してくれるから、ふたご座流星群は好きだし、
それを抱くふたご座も好きなゆえんだ。

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