うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

ほうおう座....(C28)

2007年08月16日 10時36分58秒 | 新・星座物語
バルスという少年がいました。
バルスの父親は大地主で、村の有力者でしたから、バルスはとても楽な生活をしていました。
ある朝起きてみると父と母はいませんでした。しかし、バルスには思い当たるふしがありました。
夕べ、父たちは、まぼろしの鳥“ほうほう”を捕まえようと相談しているのを聞いていたからです。
“ほうほう”の血を飲むと永遠の命が得られるとのうわさもありました。
バルスは父を追いかけて山に入りました。しかし、いつの間にか山で迷子になったのです。
幸か不幸か、そのころには父も母も家に戻り、バルスがいなくなっているのに気付き、また山に探しに行きました。
バルスは、日がかげり始めた山道を泣きながらさまよっていました。
と、目の前があかるくなりました。「あ、ほうおうだ」
バルスは夢中で「ほうおうめ、お父さん達はどこだ」と叫びました。
ほうおうはその言葉を聞いたとたん、炎をあびせました。
しかし、バルスはひるまず、とがった石を投げつけました。
「ウッ」
「アッ、当ててしまった」
石が当たったほうおうは怒り狂い、山全体が炎につつまれました。バルスは倒れました。
その時「ほうおうを捕まえるのにいきなり石を投げちゃいかん。怒り狂うだけだ」
と父さんの声が聞こえました。助けに来てくれたのです。
ほうおうの方は、人間の一人二人関係なしです。炎を広がらせて、襲いかかってきました。
あわやその時、山火事に気づいた大神ゼウスは、ほうおうを空にあげました。
バルスと父は何とか脱出し、ようやく山を下りることができました。
そして、みんなは二度とほうおうを捕りに行かないと神に誓いました。
その夜、火のおさまった山の向こうの夜空を見たバルスは「あっ!ほうおうだ」と指さしました。
空にあがったほうおうは、機嫌を少しなおしたようでした。

恩村友太 新川小6年

恩村くんの物語、2編。
彼の物語は、最後のフレーズに特徴があって、微苦笑を感じる。